MBOは、例えば、リストラ資金を必要とせずに従業員の雇用を維持したままで売却資金を獲得できるなど、新たな経営手法として大きく発展することが予想されます。
MBOはM&A(合併と買収)の一種でメネジメントを行っている取締役や従業員が自分が従事していた会社を買収することをいいます。
一般的にM&Aは全く無関係の第三者が買収を行うことになりますが、MBOは買収対象企業の取締役や従業員が買収を行うものです。取締役がを行うものであれば狭い意味でMBOといい、従業員が行うものであればEBOといい、また取締役と従業員が行う場合はMEBOと呼んだりします。
日本には長年勤めた従業員に行っていたのれん分けという習慣がありましたが、MBOを使うと、のれん分けをやりやすくすることもできます。
先ほどMBOに対する批判を紹介しましたが、改めてメリットを整理すると次のようなものになると思います。
【買い手側のメリット】
@ MBOをする取締役・従業員は企業の内情を知っているため、簿外の債務存在の可能性がわかる(買い手にとって買収対象企業に簿外負債があるのかどうか気になるところです)
A 第三者の買収先を見つけるM&Aでは企業のお見合いであるから相手先がなかなか見つからないのが現実であるが、MBOなら相手先を探すということがない
B MBOはこれまでその事業に従事していたものが経営をするため、事業をさらに発展させる可能性が高い
【買収される側のメリット】
@ 外部の者に売却するより従業員の同意を得やすい
A 反主流派が存在する場合、これらの人たちに1つの事業部門をMBOをして対立を解消することが可能となる
B MBOを利用して事業を再編し主力事業に経営を集中させることができる
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