中小企業経営者の中には、最近の銀行員の融資判断に首をかしげる方も多いようです。
融資担当者は貸出しにあたって、答えはイエスかノーだけであり、条件面での交渉に余地のない硬直的姿勢が目立つからです。
元・銀行審査部長のO氏は、このことについて次のように話します。
「一人前の審査能力を身につけるにはほぼ10年位かかる。企業数としては100社程の融資経験が必要である。しかし、銀行は昭和48年以来、融資担当者を育ててこなかった。」さらに続けて、「決算書の貸借対照表から安全性を見る。一方、損益計算書より企業の成長性を判断する…。つまり、審査に自信があれば、資本の部が過少とか債務超過であっても損益計算書の部が良好であれば、企業は必ずしもつぶれないと判断もでき、貸出しを実行するのである。」
融資担当者は、安全性ばかり目を向けず、幅広い視野をもって企業を見るよう心掛けてもらいたいところです。
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