トップページ 会社概要 経営理念 業務内容 所員紹介 アクセスマップ セミナーご案内
月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 

〜金融工学がもたらした世界経済〜      

アメリカ発の金融危機は、一気に世界経済の景色を一変させました。ずいぶん以前からアメリカの金融資本主義の動きに警鐘を鳴らしてきた人たちからすれば、これは十分に予期できた出来事だったそうです。なぜ、本来は脇役であるべき金融が、ここまでの規模に拡大したのでしょうか。
<高いリターンを得た投資>
アメリカで1970年代から80年代、コンピュータを中心としたIT産業が勃興したときは、まだ「まず産業ありき」であり、新しい産業として、凄まじい勢いで価値を生み出していました。そのため、リスクを懸けてこの産業に投資をしていたベンチャーキャピタルをはじめとする金融業は、膨大な利益を享受していました。
 あまりに儲かって、実際に会社をつくっている人間よりも、そこに投資した人間の方が高いリターンを得ることになりました。そこで、苦闘奮闘し、知恵を絞り、リスクを覚悟して製品化の高い山を越えていくより、金融だけで儲けたほうが効率的、という考えが蔓延しはじめたのです。
<安直なベンチャーだけが投資の対象になりがち>
投資する側が重んじる指標の一つにIRR(内部投資収益率)というものがあります。
この指標によれば、同じリターンを得るなら、10年よりも5年、5年より1年というようになるべく最短のほうが効率がよいということになります。
一見、もっともな考え方ですが、この指標ばかりにとらわれると、研究開発に多額の資金を投下し、長期の時期をかけるリスクを背負うよりも、短期間で儲かる仕事をしたほうがよいということになります。IRRを過度に重視すると、一見すぐに儲かりそうに見える安直なベンチャーだけが投資の対象になりがちになります。

  一方、経営側としても、ROE(株主資本利益率)が重視されるようになります。これも「株主に対して、どれだけのリターンを上げたか」を示す指標ですから、考え方としては、一理ありますが、とりわけ多くの経営陣は報酬としてストックオプションの権利を付与されていたことから、自分が在任する数年(平均在任期間5年ほど)のうちに、ROEを上げ、株価を上げようとする行動を取ります。
研究開発にまともに取組んで、売上と利益を上げることでROEを上げるには、最低でも7年から10年以上はかかるといわれています。
<金融は産業に力を与える脇役>
金融に都合の良い仕組みを振り回せば振り回すほど、価値の源泉を踏みにじり、壊してしまう仕組みが働きます。そこで、「金融工学」なるものを駆使して、お金がお金を生む方法ばかりを加速させるしかなくなってしまったのがその理由です。もちろん、金融工学を全否定するのではありません。
 リスクを回避し分散投資をしていくか、という精密な計算は、実物経済の価格の乱高下を平準化させることについて、金融工学の有効である部分があることは間違いないところです。
しかし、それがあまりに大規模化すると、それ自体が価格を乱高下させる要因となってしまう結果に繋がります。
金融は産業の主役ではなく、産業に力を与える脇役であり縁の下の力持ちなのだという、本来の己の分限をわきまえていなければ、同じ理論で自己肥大と自己崩壊を繰り返すしかありません。

                 次 へ 
 
  

Copyright (C) 2003 安蒜俊雄事務所 All Right Reserved.