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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 

 【 企業からみたセクハラ対策 】

〜 改正男女雇用機会均等法の留意点 〜
セクシャルハラスメント(セクハラ)によってダメージを受けるのは被害者のみならず、加害者も取り返しのつかないダメージを受けます。企業も社内でおきたセクハラにきちんと対応しないと使用者責任を問われます。

センセーショナルな二つの事件
このセクハラは、日本では二つの事件が切っ掛けで社会に浸透したとされます。
1986年に起きた西船橋駅ホーム転落死事件で被告の女性を支援する女性団体がセクハラという言葉を使い出しました。しかしこのときはたまたま駅で居合わせた泥酔した都立高校体育教師が、たまたま居合わせた女性にしつこく絡み、それを振り払おうとして女性が高校教師の胸を押したところ、教師は線路に転落、入線してきた電車にひかれて死亡したという事件です。その女性の職業がヌードダンサーであったということから社会的な関心を呼んだのですが、偶発的な事件と言うこともあってセクハラという概念も言葉もあまり拡がらなかったようです。

1989年に福岡県の出版社に勤務していた女性が上司を相手取りセクハラを理由とした日本初の民事裁判を起こしました。職場を舞台にした上司と部下との間で起きた事件ということで普遍性があり、これまで日本の職場でセクハラと意識されず、何気なく行われてきた女性に対する行為や発言がセクハラになるのかといった身近な話題となり、テレビや雑誌で盛んに取り扱われました。

こうして、1989年の流行語大賞の新語部門・金賞を「セクシャルハラスメント」が受賞。授賞式で表彰されたのは、2年前の1987年に裁判を終えている西船橋駅ホーム転落死事件の弁護士でした。これは1989年の流行語のきっかけとなった福岡県のセクハラ訴訟が当時は係争中で決着していなかったのです。

損害賠償額も高額化
セクハラ事件の損害賠償請求というとその金額の大きさです。
1996年のアメリカ三菱自動車を相手取って起こされたセクハラ損害賠償請求は、当時の日本円にして約220億円(約34億円で和解)でした。

その後、2006年、北米トヨタ自動車の元社長秘書(日本人女性)が、同社社長(日本人男性)によるセクハラと同社の対応の不備に対して両者等に当時の日本円にして約214億円の損害賠償請求訴訟を起こした事例があります。最終的にトヨタ側から巨額の和解金が支払われました。
日本でのリーディングケースとして有名な「福岡セクハラ事件」では、損害賠償請求額は367万円(慰謝料300万円、弁護士費用67万円)に対し、認められたのは、165万円(慰謝料150万円、弁護士費用15万円)でした。
ところが平成10年頃から、次第に金額も高額化し1000万円を超す請求が増えてきました。

平成11年の大阪府知事による女子大生に対するセクハラ事件では、1500万円が請求され、被告に1100万円を支払うことが命じられました。この金額は、現在に至るまでセクハラ事件の最高の賠償額です。

セクハラ対策は事業主の雇用管理の配慮義務

 

セクハラは、被害を受けた従業員の尊厳が傷つけられただけでなく、企業にとっても社会的評価の低下につながります。
注目すべき法律は男女雇用機会均等法の改正です。
改正前の均等法では、その第21条にセクハラの防止のために事業主は「雇用管理上必要な配慮をしなければならない」と規定され、セクハラのない職場にするために事業主が配慮すべき事項として、厚生労働大臣の指針が示されていましたが、現実にはセクハラの防止や事後処理なども含めてきちんと対応できていないのが現状でした。

そこで今回の均等法の改正に伴い“配慮”からより踏み込んだ“措置義務”がとられることになり、事業主は具体的にセクハラ防止対策を講ずることと問題が起きた場合に事後対策を実施することが義務づけられました。
改正均等法の第11条第2項の「事業主が(雇用管理上)講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定める」ということを受けて厚生労働大臣の指針として次の4点をあげています。

@事業主の方針の明確化およびその周知・啓発
A 相談・苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
B 事後の迅速かつ適切な対応
C @からBをあわせて講ずべき措置として9項目の具体的な指示が盛り込まれています。

必要な措置を講じず、是正指導にも応じなければ企業名を公表するなど企業により強くセクハラ対策を促したものといえます。

     

セクハラ対策で、企業が講ずべき9項目の指針(厚生労働省「雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために」より)

(1) 職場におけるセクシャルハラスメントの内容及び職場におけるセクシャルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
(2) 職場におけるセクシャルハラスメントに係る性的な言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
(3) 相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定めること。
(4) 相談窓口の担当者が、相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。 また、相談窓口においては、職場におけるセクシャルハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、職場におけるセクシャルハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。
(5) 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(6) 職場におけるセクシャルハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、行為者に対する措置及び被害者に対する措置をそれぞれ適正に行うこと。
(7) 改めて職場におけるセクシャルハラスメントに関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講ずること。なお、職場におけるセクシャルハラスメントが生じた事実が確認できなかった場合においても、同様の措置を講ずること。
(8) 職場におけるセクシャルハラスメントに係る相談者・行為者等の情報は当該相談者・行為者等のプライバシーに属するものであることから、相談への対応又は当該セクシャルハラスメントに係る事後の対応に当たっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に対して周知すること。
(9) 労働者が職場におけるセクシャルハラスメントに関し相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
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