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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

  ◆地域貢献で事業も成功
 地域社会への貢献活動など社会貢献活動を行い成功をおさめている事業者がいます。ここでは、地域社会の一員として貢献することで成功している美容院と電器店の事例について、関東経済産業局の調査(平成23年3月)を参考にご紹介します。

(事例1)

 埼玉県狭山市に本社のある美容室M。同社の営業範囲は、エステ、ブライダル等のサロン、フォトスタジオ、介護美容など美容関連全般にわたっています。
 同社の特徴は、地域の顧客ニーズに応える美容師の質と営業スタイルにあります。
 同社では、顧客の満足度を追及するため、美容師の高い技術・ノウハウはもちろんのこと、顧客情報の一元管理にも取り組んでいます。
 この結果、各店舗の顧客の入店状況が掴め、店舗ごとに最適な美容師の配置が可能となっています。
◎戦略的な人づくりと組織風土づくりが経営力の源泉
 美容師は、職人気質が強く一人一人の経営感覚は薄いため、現役で活躍する年齢は短いとも言われています。この理由から、社長は同社が追及するのは「社員一人一人が長く働ける環境作りが大切であり、社員が会社を意識し共有していけるような組織が大切」と語っています。
 このための取り組みとして人づくりの3ヵ年計画提案。まず1年目はスクラップ、2年目はビルド、3年目はスタビライズ(定着)として位置づけました。「会社の存在があってこそ社員が長く働ける」「社員のモチベーションが高まる」「社員の技術とスキルが活きる」。こうした社員共通の意識を芽生えさせることが目的です。
 3ヵ年計画では、社員一人一人に対して、「店舗を拡大し地域で一番になるためには何が必要か」について自らをみつめる機会を作りました。また、顧客のニーズを把握するために同社のサービスについて顧客アンケートを実施。その結果、当時のサービス価格の50%が顧客の相場であることが明らかになりました。
 これを機に「残りの50%の付加価値をどうやって顧客に提供していくか」「社員一人一人がどうサービスの質の向上に取り組んでいくか」。これが課題となりました。このため、業界特有の職人気質の殻を破り、人材の質の向上を図ることにしました。

 外部講師を招いた勉強会や交流会を開いたり、メーカーが美容商品を実地販売する姿を見せるなど、営業力強化のためのコーチングの機会とし、接客や提案力を身につけることができました。
 次に、社員が高いモチベーションを持ちながら顧客サービスにあたるためのルール作りを行いました。
 例えば、前向きな社員の動機付けのために指名料は社員自らが設定し、評価は顧客の満足次第との考えを浸透させました。また、給与体系と年齢、キャリアとの関係を取り払う一方で、サービス内容を各工程に分け、合計100%のポイント制の給与体系を導入しています。
 この結果、社員自らの価値を高めるインセンティブと、手の空いた美容師がお互いに各工程をサポートする体制に繋がりました。
 これらの取組みは、個々の店舗をトップダウンで管理するのではなく、社員一人一人が会社を「自らがより長く美容師として活躍するための場」として意識し、共有する組織風土となっています。会社への定着率も約95%にまで向上しています。 

 同社は、優秀な人材と企業風土が出来上がったことで、新たな事業展開が可能となり、今後は美容サロンを一事業部門とし、健康をテーマとした総合企業を目指しています。

(事例2)

 東京都下などを主な商圏として発展している電器店M。独自にあみ出した「御用聞きサービス」や「顧客への礼状書き」、毎週土曜日の多様なイベントの開催などにより、顧客と地域社会との良好な関係を築き上げています。
◎顧客・地域社会の期待に応 える “絆と信頼の経営”
 バブル崩壊後、同店の周辺には大型家電量販店の進出が相次ぎました。社長は、価格競争では勝ち目がなく、社員を減らすことなく事業を継続するには「高売り」しかないと判断しました。
 高売りは、単に商品を高く売るということではなく、粗利益率をいかに高めるかという考えから生まれたものです。売上主義から粗利主義への転換です。粗利益率をすぐに上げることは難しいですが、10年計画で率を高める取組みを始めました。
 どうすれば「高売り」ができるのか。実践したのが「顧客削減」と「御用聞きサービス」です。
 同店は創業以来、御用聞き回りをして製品の修理を行ってきました。修理に限らず、お客が困っていること、例えばお遣いや戸締り、洗濯物の取込み、留守番など、頼まれれば余程の支障がない限り対応してきました。こうしたサービスを「裏サービス」として力を入れてきました。「高売り」を実現するには、さらにきめ細かなサービスが必要と、取り組んだのが「顧客削減」です。
 お客の状況に応じたきめ細かなサービスを提供するためには、ある程度顧客を絞り込む必要があります。同店は独自の方法で顧客を絞り込み「痒いところに手が届く」から「痒くなる前に手が届く」サービスを考えました。
 この結果、地域の顧客から高い信頼を得て、他店より値段が高くても顧客から支持される「高売り」(粗利経営)の目標を計画より2年早く実施し、今では粗利益率40%になっています。

 また、地域の中でも年寄りが増えて小さな困り事は毎日のようにあります。「こんなことまでやってくれるのか」と感じるような、顧客が予想する以上のサービスの提供を目指しています。
 同社社長は、一番大事な仕事として、顧客への礼状書きと土・日曜日は必ず店舗で顧客と接することを挙げています。特にもっとも時間をかけて行っているのが礼状書きです。営業社員が日々顧客と接する中で絆を深めるだけでなく、同店と顧客との間にもう一本のベルトを掛ける事で絆をさらに強くしています。こうした背景には「地域の皆様に助けられて商売をしている」、つまり「助け合い」という顧客との信頼が大切という考えからきています。
 

 大型家電量販店を競争相手とは考えず、全く異なる土俵の存在と捉え、価格競争ではなく、地域の顧客との絆と信頼を大切にした独自の経営を行っています。

 
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