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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

  ◆利益を生み出す企業の特徴

 日本政策金融公庫の調査によると、2010年の黒字企業が重視した事業戦略で割合が最も高いのは「新規顧客の開拓、新規出店」の27%でした。次いで、「製品(サービス)の品質向上」16%、「新製品(サービス)の開発」13%の順となっており、これらは全て売上を増やそうとする取組みです。
 こうした取組みを収支ゼロの企業や赤字企業が軽視しているのかというと、そうではありません。順位の違いはあっても黒字企業と同じようなう売上増加策を重視しています。この点から黒字企業と赤字企業で若干の差は認められるものの決定的な差があるとは言い切れないとしています。
 しかし、表向きは同じ市場、同じ戦略であっても、おそらく具体的な取組みの中では、データでは把握しきれない様々な工夫があると結論づけています。
 以下では、業績が好調な企業(店)の事例を紹介し、利益を生み出す経営のポイントを探ってみます。

T お店と商品のブランド化への挑戦
 東京・S区の「手作り惣菜N店」では、毎日15品目以上のお惣菜を手作りしています。これらは午前中で売り切れになってしまうこともあります。その中でも創業当時から伝わるブランド化した煮豆が自慢の商品です。
 このブランド化の経緯としては、駅周辺に大型スーパーや新規出店が目立ってきて、三代目の店主がこれに危機感を抱き、お店と商品のブランド化を積極的に行ったことです。ブランド化にあたっては、自店の力だけでは困難な面もあり、外部のアドバイスを必要とし、「商店街パワーアップ作戦」を知り専門家による支援事業を活用しました。
 ブランド化に向けて、専門家から他店で成功した事例等を参考に聞き、創業以来90年間作り続けてきた煮豆をアレンジし商品を開発していくこととしました。

 まず初めに、煮豆に関する歴史や自店の歴史まで様々なことを調査し、その結果得られた資料をパネル化し、店内にディスプレイしました。
 専門家からのアドバイスを受け煮豆を使った新メニューの開発にも力を入れ、開発の段階では友人の協力も得て、計3回の試食会を開き率直な意見を得るように心掛けました。その結果「Nさんちのうずら豆」と題してブランド化を図りました。デザートとして用意していた「寒天黒豆」も好評で、こちらもブランド化することを決めました。
 新メニューの開発に当たり、器や包装についても検討し、美術館で開催されていた包装展にも足を運び日本の伝統的な包装方法なども取り入れています。パネル化された豆料理や自店の歴史などに興味を示す客を見て、これまでお店の情報をほとんど提供していなかったことを痛感しました。
 
このような取組みによって新規の顧客も増え、区の土産物としての煮豆の商品化や、商品のシリーズ化、ホームページからのネット販売などにも意欲的で、今後はお店のブランド化にも本格的に取り組んでいく予定です。

U 対中ビジネスを支える中国語教室
 1989年に中国語教室としてスタートしたN社は、創業してしばらくは順調でしたが、バブル崩壊に伴って生徒数は伸び悩みました。
 創業者のUさんは、生徒である地元の社長から「中国から取引先が来日するので通訳を頼めないか」「注文書を中国語に訳してほしい」といった依頼をたびたび受けました。この背景には、90年代初頭に多くの企業がこぞって工賃の安い中国との取引を増やしたことがあります。
 Uさんは、中国との関係を持つ企業はこれからも増えるはずと考え、通訳・翻訳の仕事を本格的に始めました。一人ではこなしきれない量となり、中国語教室の卒業生にスタッフとして手伝ってもらうことにしました。20人集まり、そのうちの4人を正社員として、その他の人達は仕事に応じて報酬を支払う「外注先」としました。これにより、顧客の多様なニーズに応えられるし、仕事量に波があっても柔軟に対応できるようになりました。
 同社の通訳・翻訳ビジネスの評価は日増しに高まりましたが、さらにサービスの質を向上させることを目指しました。中国語教室では語学に関する知識だけを教えればよいのですが、企業向けの通訳・翻訳ビジネスとなると、企業から対中ビジネスについての相談も多くなっていました。
 中国の文化や商慣習を知らないと的確なアドバイスはできません。このためにどうすべきか思案した末、大学院に入り中国の文化や歴史、経済などを学びました。この結果、通訳・翻訳を依頼された際に企業から相談があっても、中国の国民性や国内事情を織り込んだ的確なアドバイスが可能となりました。2004年から中国向けビジネスに特化したサポート事業を立ち上げ、その内容は出張にかかる各種手配、提携企業探し、取引先との連絡代行、日本製の中国への販売サポートなど多岐にわたっています。この事業を始めるに当たって中国に新たな事務所を構えるとともに、従業員を1名雇って常駐させました。
 
これにより、きめ細かいサービスが可能となっています。今や、中国経済の高成長を追い風に、同社は活動の場をますます広げています。

◆利益を生み出すポイント

@ 早い段階で次の手を打つ
 ポイントの一つ目は、新たな手を打つタイミングで、商売がうまくいっているうちに新たなチャンスに着手することです。
 新たなアイデアを考えるに当たっては、誰がどんなニーズを持っているかを把握する必要があります。Tの事例では小売店がブランド化やラッピングにおいて差別化を図ろうとしていることを知り、Uの事例では地元経済を取り巻く環境変化から、中国向けビジネスを手掛ける企業が増えると予測しました。
 このように、いつどこに新たなビジネスヒントが潜んでいるかはわかりません。普段から新たなニーズへのアンテナを張っておく必要があります。

A 顧客層を拡げる
 二つ目のポイントは、顧客層を拡げていくことです。既存の商品やサービスにアレンジを加えることで、新しい顧客の満足が得られます。Tでは店自慢の煮豆をブランド化することで品質の信頼感等で指名買いや顧客の満足度を高めています。Uでは通訳・翻訳ビジネスのサービス向上のため、大学院で中国に関する知見を広め、これが後に中国進出企業のビジネスサポートという新たな事業を行うきっかけになっています。

B 事業戦略を組み合わせる
 三つ目のポイントは、事業戦略を組み合わせることです。
 ブランド化に振興公社の専門家のアドバイスを活用し、一人ではできないことを実行しています。Uの事例では企業向けビジネス強化のために、海外に事務所を構える一方、かつての教え子の協力を得て正社員を抱えずに受注の波に対応しています。このように、公的機関の制度を利用したり、人脈を活用したりするなど外部の助けを借りるという発想も必要です。
 日頃から外部とのコミュニケーションを図り、信頼関係を築いておくことが大切です。
 バブル経済のような好景気はもはや期待できません。これからは、積極的に行動を起こし、自分の手でチャンスをつかみ取らなければ、業績を向上させ利益を生み出し続けることは難しいと言えます。
 
現状よりも一段上を目指すために、まずは第一歩を踏み出してみましょう。

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