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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 

〜後継者が会社を改革するための条件〜

◆新領域に切り込める勇気を持つ

現在の中小企業の大半に言えることは、安閑として従事型事業だけに身を任せ続けることは、縮小から消滅への道を受け入れることになるということです。
中小企業の市場は縮小傾向となっていますが、そこには必ず新しい社会や経済の枠組みが生まれています。
この新しい枠組みに向けて、誰が切り開いていくのか。植木なども枝を切れば、しばらくして新しく元気のよい新芽が出てきます。
高度成長時代は「先代」が頼もしく支えてきました。そして今、「代替わり」の時期を迎え、従来のビジネス手法の大半が陳腐化してきています。
 若き後継者は知恵を絞り、勇気を出して事業をイノベーション(革新)していく必要があります。

◆環境づくり

 若き後継者が、新たなビジネスを起こすためには、前提条件として力を発揮できる環境になっている必要があります。
 先代は、できるだけ後継者のやりやすい人事改革をしてから身を引くべきで、いったん譲ったら後は任せることが大切です。
 さらに、先代の時代は地位や報酬が忠誠心の源泉となりました。今はそれに加えて、自己実現や社会貢献というやりがいを示さなければなりません。
 このために後継者は、特に「理念」や「希望」を従業員に伝えることが重要です。
 また、以前は後継者に「現場」と「営業」を任せることで承継への準備ができたと考えられましたが、これに加えて「資金繰り」のノウハウを伝えておく必要があります。
 先代が急に亡くなった場合などは、銀行との付き合い方、手形の処理の仕方などに苦労します。このようなことがないように、生前から資金管理について教えてもらっておく必要があります。
これらの環境が整ってから、革新の方向に進むことができます。

◆後継者のマインド

 革新に向かうために欠かせないのが「後継者のマインド(精神)」です。
 先代が継続してきた事業が先細りと見えた時、積極的に新分野、新市場に打って出る気概と勇気が必要です。
 このためのマインドを獲得するには、「外を見る」ことが必要です。いろいろな分野の人と交流したり、成長している最先端の現場を見るようにしましょう。
 イノベーションとして、トップを目指す気持ちが大事です。ニッチな市場でもそこでトップになることで確実に利益を稼ぐことができます。
 しかも、経営者にとってはそのことで事業自体にやりがいを感じることができます。

◆市場が存在する所で勝負

 トップになれそうな業種や製品、サービスを選択します。そして、それを市場のあるところに投入する。この2つが革新への絶対条件です。
 魚釣りでも、いくら釣れやすい竿や餌があったとしても、魚がいないところでは釣れません。海外進出なども、今まで中国は生産拠点として考えられていましたが、今は大きな市場として見ることができます。日本の高齢者や女性を対象と考えれば有望な市場が見えてきます。

 ここで、後継者による事業革新の事例を挙げます。


@着物リサイクルで成長
 
1975年頃は約2兆円産業であった着物市場は、2009年には約3200億円に縮小しています。
 このような業界で成功している呉服・Y社の三代目社長です。
 二代目の父から成長戦略は全て尽きてしまったとバトンを渡されて1993年のバブル崩壊後に社長に就任しています。
 社長は、「着物のリサイクル販売」というイノベーションを起こし、同社を成長・発展へと導きました。着物リサイクル販売とは、家庭の箪笥に眠る着物を買い取り、殺菌・クリーニングなどを施して販売するビジネスです。
 近年はリサイクル品だけではなく独自に企画開発した格安のカジュアル着物も手掛け、リサイクル品と新規商品の売上構成は半々となっています。
 同社の成功要因は、潜在需要を掘り起こしたことです。
 普段着にも使えるカジュアルな着物を幅広い年齢層に提案してきたことです。着物は従来、”高級品”、”晴れ着”として定着していましたが、カジュアルで普段から着られる着物として新市場を創造しました。
 戦後から現在までに流通した着物の約9割が現在も家庭に保管されており、Y社の成長の余地は今後も大きいものがあります。

A
旅館の経営革新
 
今でも湯治場の雰囲気がある温泉地に、女性客を中心に若者に人気のある旅館があります。
 旧旅館は部屋数21で高齢者を対象とした低価格の滞在型旅館でした。それを、約4億円を投じて若者を対象とした現在の旅館に全面リニューアルしました。
 それまでの旅館は顧客の中心が70歳以上でリピーター率が90%近くとなっていました。裏を返せば、新規客10%以下。年々客数が減少していくことが目に見えていました。
 「何よりも社長自身が泊まりたいと思う旅館ではなかった」ことが全面改装の要因でした。

 後継者である社長は父の勧めもあって大学卒業後に熱海の高級旅館で2年間修業し、旅館業の本質を学びました。修業後はいくつかの「改革」に取り組みました。例えば、珍しい地酒を置いたり稼働率が低い部屋を改装し「一室限定」の部屋も作りました。こうした取組みが功を奏し、若者の集客も進むようになり、低価格の滞在型旅館から全面改装し、全く新しい旅館へと生れ変わりました。建物は京都の町屋スタイルを採用し、温泉は全て源泉かけ流し、料理は地産地消、シーツや布団カバーは麻などで、今までと違うスタイルになっています。

 また、コスト削減のために、張り替えが必要な絨毯や畳を少なくして木材を多く取り入れ、温泉の排湯熱を床暖房などに使用しています。全室禁煙、食事処を設置し、部屋が汚れないようにもしています。布団は畳の間にあらかじめセットして上げ下ろしの手間をなくし、案内以外はスタッフが客室に入ることはないので労力も省いています。部屋もそれぞれ造りの異なる八部屋となっており、満足度を高めています。
 社長は「宿主自身がしっかりとしたコンセプト(概念)や理念を掲げ、画一的なものに頼らないオリジナリティのある旅館づくりをしていくこと、これが生き残りのための決め手」と感じています。
 後継者による会社の改革には、このような勇気と決断が必要なようです。

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