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月刊 花みずき

〈労働者派遣法の改正〉
 
〈1.派遣事業を許可制のみへ〉

〈2.期間制限の見直し〉

〈3.キャリアアップ措置〉

〈4.その他〉

月刊 経営一番

〜「新3本の矢」も「1億総活躍」も悪評粉々〜

◆インパクトのない自画自賛演説

◆具体的政策ではない「新3本の矢」

◆海外投資家の売り姿勢はアベノミクスへの失望



編集後記
〜分 度〜



業績31の原理

 

  〈労働者派遣法の改正〉 

 平成27年9月30日(以下「施行日」)に、改正労働者派遣法が施行されました。今回は、その概要について触れていくこととします。

1.派遣事業を許可制のみへ
(1)従来の区分
 従来は、「特定労働者派遣事業(届出制)」と「一般労働者派遣事業(許可制)」に区分されていました。
@特定労働者派遣事業
 常用雇用労働者(無期雇用労働者や1年以上の雇用見込みがある者など)のみを派遣する事業です。一般労働者派遣事業のような許可基準はなく、届出により実施することができました。
A一般労働者派遣事業
 特定労働者派遣事業以外のものをいい、臨時的に雇用する労働者についても労働者派遣の対象とすることができます。許可基準として、資産・現預金の額、事務所の広さなどいくつかの基準が設けられていました。
(2)区分の廃止
 施行日以降は前述の区分が廃止され、すべての労働者派遣事業が、新たな許可基準に基づく許可制になりました。
 経過措置として、施行日に特定労働者派遣事業を営んでいる場合は、平成30年9月30日まで許可を得ずに事業を継続でき、一般労働者派遣事業を営んでいる場合は、施行日時点で受けている許可の有効期間内は従来の許可のまま事業を継続できます。
(3)許可基準
@許可基準の追加
 新しい基準として、従来の一般労働者派遣事業の基準に追加が行われています。ここではその一部を取り上げます。
 ・派遣労働者のキャリア形成支援制度を有すること。
 ・教育訓練等の情報を管理した資料を労働契約終了後3年間は保存していること。
 ・労働者派遣契約の終了のみを理由として解雇できる旨の規定がないこと。
 ・次の派遣先を見つけられない等の事由で休業させた場合には、休業手当を支払う旨の規定があること。
A資産等の基準
 新たな許可基準でも資産額等の基準があり、資産の総額から負債の総額を控除した額(基準資産額)が「2千万円×事業所数」以上、現預金額が「15百万円×事業所数」以上であることとされています。
 これについては、小規模事業主の暫定的な配慮措置が設けられており、(ア)常時雇用する派遣労働者10人以下の事業主は、当分の間、基準資産額は1千万円、現預金額は8百万円、(イ)常時雇用する派遣労働者が5人以下の事業主は、平成30年9月29日までの間、基準資産額は5百万円、現預金額は4百万円、とされます。

2.期間制限の見直し
 改正前は、「26業務」と呼ばれる専門的な知識が必要な業務等は、派遣受け入れ期間の制限を受けない業務とされていましたが、施行日以後に締結された労働者派遣契約に基づく労働者派遣には、すべての業務で期間制限が適用されます。
 期間制限には「派遣先事業所単位」と「派遣労働者個人単位」の2種類があります。
(1)派遣先事業所単位
@原則
 同一の派遣先事業所に対し、労働者を派遣することができる期間は、原則として、3年が限度となります。
 施行日以後、最初に新たな期間制限の対象となる労働者派遣を行った日が、3年の派遣可能期間の起算日となります。
A例外
 派遣先事業所の過半数労働者で組織する労働組合等からの意見を聴くことにより、3年を超えて派遣を受け入れることが可能となります。
 (注)派遣可能期間を延長した場合であっても、個人単位の期間制限が設けられたため、同一の派遣労働者を引き続き同一の組織に派遣することはできません(後述する(2)Aの期間制限の例外に該当する場合を除きます)。
B意見聴取
Aの例外により延長しようとする派遣先は、次の事項を書面で通知した上で、派遣可能期間終了の1ヵ月前までに、労働組合等からの意見を聴きます。
 ・派遣可能期間を延長しようとする事業所
 ・延長しようとする期間
 通知から意見聴取までの間隔は、労働組合等が十分に考慮できる期間を設けましょう。
C労働者への周知
 派遣先は、意見を聴いた後、次の事項を書面に記載し、派遣可能期間の終了後3年間保存及び事業所の労働者に周知しなければなりません。
 ・意見を聴いた過半数労働組合の名称または過半数代表者の氏名
 ・過半数労働組合等に書面通知した日及び通知した事項
 ・意見を聴いた日及び意見の内容
 ・意見を聴いて、延長する期間を変更したときは、その変更した期間
(2)派遣労働者個人単位
@原則
 同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(注)に対し派遣できる期間は、3年が限度となります。
 組織単位を変えれば、同一の事業所に、引き続き同一の派遣労働者を(3年を限度として)派遣することができますが、前述の事業所単位の期間制限による派遣可能期間が延長されていることが前提となります。
 (注)組織単位とは
 いわゆる「課」や「グループ」など、業務としての類似性、関連性があり、組織の長が業務配分、労務管理上の指揮監督権限を有するものとして、実態に即して判断されます。
A期間制限の例外
 次に掲げる場合は、例外として、期間制限は適用されません。
 ・派遣元事業主に無期雇用される派遣労働者を派遣
 ・60歳以上の派遣労働者を派遣終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣
 ・1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下である日数限定業務に派遣
 ・産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務に派遣
(3)クーリング期間
 事業所単位、個人単位の期間制限の両方に、「クーリング期間」が設けられました。派遣終了と次の派遣開始の間が3ヶ月を超えないときは、労働者派遣が継続されているものとみなされることに注意を要します。

3.キャリアアップ措置
 派遣元事業主は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため、次の措置を実施する必要があります。
@段階的・体系的な教育訓練
A希望者に対するキャリア・コンサルティング

4.その他
@労働契約申込みみなし制度
 派遣先が次に掲げる違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元での労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます(違法派遣について、派遣先が善意無過失である場合を除きます)。
 ・労働者派遣の禁止業務に従事させた場合
 ・無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
 ・期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合
 ・いわゆる偽装請負の場合
A報告書の提出
 労働者派遣事業報告書の提出期限は、年度報告、6月1日現在の状況報告とともに、毎年6月30日とされました。雇用安定措置を講じた派遣労働者の人数等の実施状況、段階的かつ体系的な教育訓練の実施状況等が、報告事項に追加されます。

               

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