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月刊 花みずき

〈経営者がやってはいけない事〉
 

〈重要な経理〉

〈ファーストペンギン〉



月刊 経営一番

〜AI2045〜






編集後記
〜地鎮祭〜



業績31の原理

 

  〈経営者がやってはいけない事〉 

 中小企業経営者の方は、販路拡大、商品開発、在庫管理等様々な課題を抱えています。
 経営コンサルタント・A氏は、これら経営上の課題から生じる困難は、ベテラン経営者なら何とか克服する、しかし、経営外のことから生じる問題で冷静さを失う場合があり、そのことにより倒産に追い込まれることがある、と注意します。
 では、A氏の注意する内容は、「1.金を貸す。2.判(印鑑)をつく。3.役(役職)に就くことである。つまり、金を貸すな、判をつくな、役つくな、の三つのことをしないことが難を避ける」といいます。
 A氏は、“三スルナ”と口癖のように話します。
1.金を貸すナ
 “私はお金に関しては、しっかり管理している”と思っている経営者は多いです。
 実際には売掛金の回収遅れは相手企業にお金を貸していることですが、このことは経営上のことですので、皆様も対処するでしょう。
 A氏の話す“金を貸す”とは経営外のことです。
 事例を見ましょう。
 兵庫県K区、土木基礎工事業N社、N社長。業歴15年、従業員11名。
 40代後半の社長Nさんは度胸があると他所の人は見ているし、自分もその気になっています。
 普段、社員から「社長!麻雀で負けたので、給料日まで5万円貸してくれ」とか、知人から「田舎のおふくろの見舞いに行くんで、今月中には返すから10万円貸してくれ」。
 この様な際に気前よく金を出す一方、K信金の定期預金では積んだり、積まなかったりとなっていきました。
 ある時、大きな工事が遅れ予定していた資金が入らず、K信金に借入を申し込んだところ否決されました。
 いままで貸してくれたのに。資金繰りに困っているところにNさんの弟の友人から「俺が知っている所が金を貸してくれるよ」とS社(街金業者)を紹介されました。
 違和感はあったものの“一時しのぎにはこういう方法もある”とばかり金を借りたのです。
 1ヶ月後返済の金額はムリとS社へ平身低頭して説明したところ、S社はアッサリと快諾。この様な繰り返しの後、NさんはS社の言われるまま、委任状やら不動産謄本、訳の分からない書類に次々と判を押し、9ヶ月後に倒産。(注:街金業者は手形貸付、保証人貸付、担保貸付等の各々得意分野での融資を行う。S社は担保貸付業者に当たる)
 Nさんの例に見るだけではなく個人間の金の貸し借りはしないよう注意してください。
2.判をつくナ
 判をついての失敗は枚挙にいとまがありません。
 事例で見ましょう。
 東京都S区、機械加工業D社、社長D。業歴41年、従業員23名。
 Dさんの外出は多く、留守の間に印鑑が必要なことも度々。このようなことからDさんは役員が判をつくことを大目に見るようになりました。
 現在、Dさんは奥さんにズボンの裏にポケットを縫ってもらい印鑑を持ち歩いています。
 何故このようになったのかDさんは決してしゃべろうとはしませんでしたが、親しい経営者にだけ話します。「僕は実印を押すときは髪の毛を一本、書類の上において押印するんだ。ある契約を巡り、裁判沙汰になり、その時に誰が実印を押したのかが焦点になったが、裁判所は鑑定の結果、髪の毛のない押印であると私の主張を認めてくれた」とのことで、Dさんは難を逃れたそうです。
 話を本題に戻します。
 A氏の言う“判をつくナ”は“連帯保証人の印鑑を押すナ”ということです。
 確かに、裁判になっても連帯保証の判が押してある案件はどうにもならない、というのが弁護士の意見です。
 金融機関が中小企業経営に対する融資を実行する場合、借入本人以外に他の人の連帯保証を求める場合は多い。
 金融機関にとって債権保全(融資の回収)は、借入本人だけで心許無いため、保証人をとり融資を実行しようとします。
 したがって、金融機関側にすれば、保証人は借入れを行った本人の代位弁済することは、当然の義務であると考えますし、保証人側からすれば、「俺は頼まれたから判をついただけだよ」といった意識のズレがあります。
 下表は金融機関の連帯保証の扱いを紹介したものですが、見ていただくと、連帯保証の意味がご理解いただけると思います。
3.役つくナ
 東京J地域の信用金庫関係者の集まりの話です。
 Y支店長が、「私のところではゴルフ会があり、会員企業X社のX社長に会長をお願いしているが、その後、何が原因なのか分からないがX社の業績が落ちてきている」と話します。すると他の信用金庫支店長も、「私の所もだ」と同調する声が挙がったそうです。
 また、地方自治体の商工相談員の話でも「多くの商店会長の店を見ているが、どういう訳か、その店が繁盛しているように見えない」と言います。
 先述のA氏によると、「商店会長の役職の労力が10だとすれば、副会長や他の役員は2又は3だろう。また、ゴルフ会といった一見、簡単そうに思える会でも、会長となると毎回出席し、しかも会の運営に気を配るのは、かなりの労力を使う」と話します。
 経営者の方は同業組合、商工団体から町会、青少年育成委員会等々いろいろな所から、「顔をチョッと出すだけで良いですから」と役員を頼まれることがあるでしょう。
 無下に断るわけにはいかないと思いますが、どの位労力を自分は使えるかを考え、安易に引き受けることは避けたいものです。

zuhyo


 

  〈重要な経理〉 

 社員が5人、10人と増えていくと、従来は、できて「当たり前」、やるのが「当たり前」ということができなくなっています。
 あの松下幸之助氏も、「事業を始めた当初は、家内と義弟の3人で、いわば食べんがために、ごくささやかな姿で始めたこともあり」。
 大半の方は、事業の出発時は松下氏と同様であり、起業後の一定の時期、発展段階で悩むことになる。
 つまり、社員の数が少なかったときは、少なかったその上に、もっとも優秀な社員である経営者が密着して指導していたからです。換言しますと、その企業の社員である経営者のウエイトの高さが利益の高さにつながっていると言えます。
 創業時、2〜3人で頑張っている時期は企業活動の「当たり前」を「当たり前」にできていたのですが、従業員が増えてくると、それを制度として定着させることが企業存続のための条件となるのです。
 経営状態を把握するために、月次決算をできるだけ早く行う。
 「当たり前」のことの中に、経理関係、つまりお金のこと(調達の問題ではありません)の把握が重要です。
 日々の経営の状況は試算表という形で把えます。ところが、足踏み状態の企業でその試算表の作成が1ヶ月も2ヶ月近くも遅れている。
 少しでも問題を早く把握して対策を打つことで問題が発生しても火は小さく、消すこともできるのです。
 業種によっては、月次決算を「次の月の一週間が経過した時点まで」というのは厳しいかもしれませんが、最低限必要な科目の動きが試算表で掴めればよいのです。とにかく、大筋を早く把握する。そのために会計事務所と相談してほしいものです。


 

  〈ファーストペンギン〉 

 ファーストペンギンという言葉を聞いたことがありますか?
 これは、海に魚がいる(えさがある)とリスクを冒して最初に飛び込んでいくペンギンのこと。
 これに対し、セカンドペンギン達は、他がうまくいったので実行しようというペンギンの群れをいうそうです。
 中小企業経営者はファーストペンギンと同様、“答えが無い難関と困難”に日々、向き合います。
 さて、巷には“自社のドメインを決めて差別化の戦略を構築するには”等の経営セミナーが盛んに開催されています。
 残念ながら自社の経営には役立たないことが度々です。
 何故ならば、経営者は答えのない課題に取り組む(成功確率は22%ともいわれる)ファーストペンギンだからです。


               

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