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月刊 花みずき

〈パワーハラスメント 労災認定基準の改正〉
 
〈経営者の正念場〉





月刊 経営一番

安蒜会計通信~経営一番U~VOL.009








業績31の原理

 

  ♦パワーハラスメント 労災認定基準の改正 


 令和2年6月から施行されたパワーハラスメント防止対策の法制化(労働施策総合推進法の改正)に伴い、職場における「パワーハラスメント」の定義が法律上規定されたことなどを踏まえ、「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」(以下「認定基準」といいます。)が改正されました。
 法制化されたパワーハラスメント防止対策の概要、認定基準の変更点について説明します。

1.動向
 業務による心理的負荷を原因とする精神障害は、平成23年12月に策定した認定基準に基づき労災認定が行われ、労災請求件数は、平成30年度には1,820件にのぼり、6年連続で過去最多を更新し、今後も増加が見込まれる状況にありました。また、認定基準の策定以降、働き方の多様化が進み、労働者を取り巻く職場環境が変化するなど社会情勢の変化も生じていました。

2.精神障害の労災認定
 発病した精神障害が労災認定されるのは、その発病が仕事による強いストレスによるものと判断出来る場合に限られます。
 仕事によるストレス(業務による心理的負荷)が強い場合でも、同時に私生活でのストレス、既往症やアルコール依存などが関係している場合にはどれが発病の原因なのか判断し、認定を行っていきます。
 労災認定のための要件は、次の通りです。
 @労災認定基準の対象となる精神障害を発病していること
 A認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月間に、業務による強い心理的負荷が
 認められること
 B業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

3.パワーハラスメント防止対策の法制化
 労働施策総合推進法では、職場におけるパワーハラスメントについて事業主に防止措置を講じることを義務付け、事業主に相談したこと等を理由とする不利益取扱いを禁止しています。
(1)パワーハラスメントの定義
 同法及び同法に基づく指針による職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる次の3つの要素をすべて満たす言動と定義されています。
 @優越的な関係を背景とした言動であって
 A業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
 B就業環境が害されるもの

(2)パワーハラスメントの類型
 職場におけるパワーハラスメントの状況は多様ですが、代表的な言動の類型としては次の6つに分類されています。
 @身体的な攻撃(暴行・傷害)
 A精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
 B人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
 C過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
 D過少な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや
 仕事を与えないこと)
 E個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

4.認定基準の改正
 認定基準の改正では「業務による心理的負荷評価表」にパワーハラスメントが、明示されました。
(1)改正前
 上司や同僚等から、嫌がらせ・いじめや暴行を受けた場合、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」という具体的出来事で業務による心理的負荷を評価していました。

(2)改正後
 職場での人間関係の優位性等に注目した上で、適切に評価し得る「具体的出来事」に当てはめ、心理的負荷を「強から弱」で判断することになりました。

@職場における人間関係の優位性「あり」のとき
「業務による心理的負荷評価表」のうち、「上司等(※)から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」という具体的出来事に当てはめた上で心理的負荷の強度を判断します。
※「上司等」とは…職務上の地位が上の者のほか、同僚又は部下であっても、業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、その者の協力が得られなければ業務の円滑な遂行を行うことが困難な場合や、同僚又は部下からの集団による行為でこれに抵抗または拒絶することが困難である場合を含みます。
心理的負荷の相互評価の視点として、次のものがあります。
 ・指導、叱責等の言動に至る経緯や状況
 ・身体的攻撃、精神的攻撃等の内容、程度等
 ・反復、継続など執拗性の状況
 ・就業環境を害する程度
 ・会社の対応の有無及び内容、改善の状況

 次に、心理的負荷の強度を判断する具体例を見ていきます。
【「強」に該当する例】
 イ.上司等から治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
 ロ.上司等から暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
 ハ.上司等から次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合
  ・人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく
   逸脱した精神的攻撃
  ・必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な
   叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃
  ・心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場合であって、
   会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合
【「中」に該当する例】
 上司等による次のような身体的攻撃、精神的攻撃が行われ、行為が反復継続していない場合
  ・治療を要さない程度の暴行による身体的攻撃
  ・人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を逸脱した
   精神的攻撃
  ・必要以上に長時間にわたる叱責、他の労働者の面前における威圧的な叱責など、態様や
   手段が社会通念に照らして許容範囲を超える精神的攻撃
【「弱」に該当する例】
 上司等による「中」に至らない程度の身体的攻撃、精神的攻撃等が行われた場合

 A職場における人間関係の優位性「なし」のとき
 「業務による心理的負荷評価表」のうち、「同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」という具体的出来事で心理的負荷の強度を判断します。
 心理的負荷の相互評価の視点として、次のものがあります。
  ・暴行又はいじめ、嫌がらせ内容、程度等
  ・反復、継続など執拗性の状況
  ・会社の対応の有無及び内容、改善の状況

 心理的負荷の強度を判断する具体例を見ていきます。
【「強」に該当する例】
 イ.同僚等から、治療を要する程度の暴行等を受けた場合
 ロ.同僚等から、暴行等を執拗に受けた場合
 ハ.同僚等から、人格や人間性を否定するような言動を執拗に受けた場合
 ニ.心理的負荷としては「中」程度の暴行又はいじめや嫌がらせを受けた場合で、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合
【「中」に該当する例】
 イ.同僚等から、治療を要さない程度の暴行を受け、行為が反復・継続していない場合
 ロ.同僚等から、人格や人間性を否定するような言動を受け、行為が反復・継続していない場合
【「弱」に該当する例】
 同僚等から、「中」に至らない程度の言動を受けた場合
 なお、精神障害の労災認定は、都道府県労働局又は労働基準監督署が問い合わせ窓口です。

 

  ♦経営者の正念場 


 新型コロナ渦での甲社(旅行業、従業員16名)の乙社長は、こう話します。
 「2月はまだ売上70%減くらいでしたが、今後を考えて早めに資金の確保をしようと借入れ。しかし、3月にはほぼ予約はキャンセルで売上が80%ダウンしたため、すぐに日本政策金融公庫から1年分の資金を借入れ。4月から6月の売上はほぼゼロ。資金繰りはなんとかしたものの不安で夜寝られない日も多い。」
 そのような中、先日、経営者仲間とZoomで話し合う中で、次の事を決断した。
 @社員の雇用を守ること
 A会社の存続を守ること
 B政府の観光施策に備えること
 乙社長は、「今後も中小旅行社では倒産するところが出ると思うが絶対に負けるわけにはいかない。定款変更も含め、旅行業以外に何かできることがあるか考えていくつもりだ」と話します。

               

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