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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.159   2008年5月

 外人投資家はなぜ失望したか

〜30%で頓挫した「小泉改革」〜
 最初に断っておきたいが、日本の皆さんはあまり「外人」の意見を鵜呑みにしてはいけない。私自身、海外の人々の日本の政治や日本株についての意見を見聞きしてきたが、大声で「日本は駄目だ」と批判する人間ほど、間違っている確率が高い。彼らは外部から日本を見ており、政治や社会の仕組みを誤解している部分が大きい。私の意見も、仕事柄、海外投資家のために日本株をリサーチしている「外人」の感想の一つとして聞いていただきたい。決断するのは、あくまでも日本人自身である。

■いまの日本は昔の英国と同じ

 日本の大きな問題は、より消費者の立場に立った「コンシューマー・ソサエティ」が築けていない点だろう。消費者が弱いので国内需要が伸びず、経済が活性化していない。日本は海外からベストプラクティス(各国の最も進んだシステム、ノウハウ)を取り入れ、ものづくり中心の経済を築いた国であるが、消費者主体の社会という点では、世界とはまだかなりのギャップがあるのではないか。
 その背景として、国民が企業、官僚、政策に対して受け身であることが挙げられる。英国では国民一人ひとりが、社会に何か問題があれば即座に政治家や官僚に訴える習慣がある。あくまでも「外人の視点」からとしてだが、官僚主導の社会という側面が見えるということだ。

  実は1980年から90年代までの英国でも、日本と同じ現象が起こっていた。しかし現在の英国は、官僚主導の社会から「小さな政府」への改革を行い、とくに公共セクターの民営化を通じて官僚支配からの脱却に成功した。一つの省庁の権限も小さくなり、現在は行き過ぎの面もあるほど様変わりしている。

  私たち「外人」の目から見ると、現在の日本は、昔の英国の社会のように見える。官僚と言う人々は、世の中が不況かどうかはあまり気にしていない。多少、景気が変わろうと彼らの収入に影響はないからだ。たとえ不況であっても、エリート官僚の人生は確約されている。したがって、これまでのやり方は変えず、経済や社会の変化とは無関係に、自分たちのやりたいことを進めるだけである。

■日本株の買い手がいなくなってしまった

 このような官僚制度に日本で初めて本格的に挑戦したのが、小泉政権だった。
小泉政権は、誰も手をつけなかった金融庁の制度改革、人事改革を行うことで、金融行政にメスを入れた。その結果、2002年あたりから金融業界の雰囲気が変わりはじめたように思う。

  それまでの日本は、現在の年金問題のように金融システムのすべてがベールに覆われていた。金融業界全体が大きい問題を抱えていながら、誰も変革することができなかった。小泉改革の試みがなければ、おそらく日本の金融システム全体が破滅していただろう。そして2003年以降、外人投資家が日本株を買った大きな理由は、金融システムの復興、すなわち金融機関の整理統合、入れ替えが行われたことにある。

  ところが、小泉首相が任期切れで退任すると、日本の改革の話は次第に消えていった印象を受ける。改革が止まったように見えることが、海外投資家の日本株買い意欲の減退につながったのは間違いない。外人投資家の目からは、小泉改革は30%ほどで頓挫してしまったように見える。海外投資家に対するリサーチ業務を行っているわれわれの感覚では、2006年の第1四半期あたりから、外人投資家の情報を求める風向きがずいぶん変わってしまった。日本株への興味が徐々に失望に変わり、ブル(強気)局面が後退したように思う。そして、日経平均株価が下落する中で、外人投資家の関心が他国の株式市場に移ったことは明らかである。

      
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