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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.174  2009年8月

〜(株)武蔵野に学ぶ 「飲み会ルール化」の極意? 〜

 飲み会も“ルール化”して運用しているのが武蔵野だ。本音や小山昇社長の毒舌が飛び交い、その中で重大事項も決まってしまうが、笑いは絶えない。根底にあるのは、小山社長の従業員に対する愛情と信頼だ。

◆部長の条件は「酒が飲めること」

 「20年前の部長昇格試験は、1時間で42度の焼酎を、2人でロックで空けること。できなければ部長になれなかった。酒が飲めればバカなことも言えて、部下ともコミュニケーションがとれる。上司と部下のコミュニケーションが良ければ教育で部下は伸びるが、悪ければいくら金をかけてもダメ。うちではコミュニケーションスキルがあることが条件なんです」(小山社長)
 
  武蔵野はダスキン加盟店として掃除サービスを提供する会社だが、むしろ小山社長のことが、社内の徹底した清掃(環境整備)で会社を立ち直らせたカリスマ社長としてよく知られる。
 同社は、環境整備をはじめ、あらゆることをルール化して「儲かる仕組み」として運営している。会社を訪れて驚くのが、社内の廊下や階段、壁にビッシリと張られたグラフや表だ。各部の年間計画や進捗度、個人の成績、改善の記録、感謝の気持ちを表す「サンクスカード」。理屈よりも形を重視し、いいと思ったものは何でも「パクる」。どこにもない徹底したサービスを実現し、着実に業績を伸ばしてきた。
 
  これらの改革は00年、経営品質賞の受賞につながり、武蔵野は一躍全国の中小企業の経営者たちの注目の的となる。視察が絶えないことから、いっそのこと事業化をと始めたのが「経営サポート事業」だ。中小企業の経営者や幹部を対象に「実践経営塾」や「幹部実践塾」を開催、武蔵野の環境整備の現場を「現地見学会」として公開するなど、セミナー、イベントを整備して提供し始めたところ、今では全売上げの3分の1を占めるほど急進した。


◆「ルール化」の効果を上げる

 「15年以上も前のこと、私が考えていることがどうしても従業員に伝わらない。それで(ルール化を)始めたんです。従業員だって会議や面談で本音は言いません。真意が聞けるのは飲み会の席。上下関係を意識せずに飲めば、お互いにどんな人間か分かります。コミュニケーションとは情報と感情のやりとり。『情』とは回数のこと。友情も愛情も相手と接する回数で育まれるし、職場での円滑な交流は、お客様の満足にもつながりますからね」(小山社長)
 
  小山社長、飲むのはとにかく3度のメシよりも好きで、酒の席で会社の重大事項が決まることも珍しくなかった。だが、会社が大きくなるにつれて、それだけでは済まなくなってきた。
 1つは、社長という立場になれば、特定の人とばかり飲んでいられない。飲むにも「公平さ」が求められる。もう1つ、そもそも上司と部下のコミュニケーションが悪ければ、どんなルールをつくってもうまく働かない。そこで飲み会を定例化して、コミュニケーションを活発にする必要に迫られた。社内の「ルール化」を効果的にするため、飲み会も「ルール化」したのだ。

◆従業員への愛と信頼が前提

 現在では、全部署を7つのグループに分けてそれぞれ2ヵ月に1度行う「グループ懇談会」、5人以上の部下を持つ課長が月に1度必ず開く「飲み会」、社長と課長、課長が選んだ4人の従業員、計6人が新宿の歌舞伎町を飲み歩く「社長と飲み歩きの会」など会社公式の飲み会が定められた。このほかにも、毎年5月の「経営計画発表会」や年2回の「政策勉強会」での飲み会、新人社員や内定者や中途入社社員、会社幹部との飲み会などがあり、小山社長は年中、飲んでいることになる。もちろん、このほかに“非公式の飲み会”も強く推奨されている。
 
  新聞、雑誌等で報道されている飲みニケーション手当(2500円)の出る飲み会とは、5人以上の課長が開く飲み会のこと。スケジュールはその課に任されているが、開催すると領収書を添付して報告書を出さなければならない。それはミーティングルームに貼られて公開されている。1度さぼると課長にはイエローカードが出され、2度目は手当没収、始末書も提出しなければならない。3度目からは手当がストップされる。厳しいルールの下で運用されているのだ。
 
  各飲み会の運営にもルールがある。グループ懇親会では遅れたら5000円の罰金、全員が1分語る「チェックイン」で幕が開くが、1分を10秒超えても足りなくても1000円の罰金、2分以上3分未満で2000円。最後の30秒の「チェックアウト」も同様だ。小山社長は最後に話すことがルール。「上司が最初に話すと部下はただ聞いているだけ。意見が違えば言いづらくもなる」からで、上司が説教などもってのほか、部下の話にひたすら耳を傾けることになっている。年間60〜70万円にもなる罰金は、社員旅行などで賞金に使われる。

  また、飲み会で重要事項が発表されたり、検討されることも珍しくない。商品やサービス、運営上のアイデアの推進などは序の口で、数千万円の出費の広告を決めたり、人事異動や組織替えが決まることも珍しくない。「酒の席でみんなが『そうだ』と言えば合意しているということ。業務で進めれば恐ろしく時間がかかる。酒が入れば理性がなくなるって?理性がないからいいんじゃないの。欲望のままにやってみて、それから考える。うまくいけばそれでよし、いかなければ社長が責任をとればいい」(小山社長)

  会社が飲み会に使う費用は年間1000万円にも上るが、その効果の大きさは計り知れないと小山社長は言う。飲み会で築いたコミュニケーションが業務を円滑にし、現在の業績になっていると自信満々だ。「楽しくなきゃ会社じゃない」とも。そして、その大前提にあるのは、小山社長の従業員に対する深い愛情と信頼だ。

   (ニュース出所 商業界 7月号)


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