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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.187  2010年9月

◎中高年男性の4人に1人が「お1人様」

 配偶者と死別し、子供にも頼れない「単身世帯」が急増していく。住まいはどうすべきか、貯金はいくら必要か〜来るべき将来と、その備えを考える。

 1人暮らしは、貧困や要介護となったときの対応、社会的に孤立しやすいといった点でリスクを抱えている。
 日本全体を見ると、05年現在、1446万人が単身世帯を形成し、全人口の11.3%、全世帯の29.5%を占めている。標準世帯といわれる「夫婦と子供からなる世帯」の全世帯に占める割合が29.9%なので、単身世帯の割合はほぼ同程度となっている。そして30年になると、単身世帯の全世帯に占める割合は37.4%となり、標準世帯(21.9%)を大きく上回って最も高い割合となる。単身世帯の増加は、社会に大きな影響を与えていくであろう。
 しかも今後は、中高年男性で単身世帯になる確率が高まる。05年現在、40歳以上の男性に占める単身世帯の比率は10%前後であるが、30年には50代、60代男性に占める同割合は25%弱にもなる。すなわち、50代、60代男性の4人に1人が1人暮らしというのが「2030年の日本の姿」だ。
 こうした中高年男性の単身世帯の増加は、すでに始まっている。1985年から05年の20年間で、20代の単身世帯数はほとんど変化していないのに対して、80歳以上では男女共に5〜7倍に増えた。また、50代と60代の男性でも単身世帯数は4〜5倍になった。


◆打つべき3つの対策

 では、単身世帯の増加に対して、どのような対応をすべきか。
  第1に、社会保障制度の拡充が必要である。現行の社会保障制度は、単身世帯の抱えるリスクに対して十分な対応ができていない。一昔、いや二昔前までは、ある程度の年齢になれば結婚して家族を持つことが当たり前であったし、老親が子供と同居することも一般的だった。このため社会保障制度も、善かれ悪しかれ、家族の助け合いを前提に構築されてきた面がある。例えば、「介護の社会化」を目的に公的介護保険が導入されたが、現行の給付水準は、家族介護を前提としたうえで、それを社会的に補完するレベルのように思われる。実際、在宅で要介護者を抱える世帯の7割が「主たる介護者は家族」と回答している。
 このように、日本の社会保障制度は、介護を含め家族による助け合いを前提にしてきたために国際的にみて安上がりの制度となっている。主要先進国間で社会保障に費やす費用(対GDP比)を比べると、日本は米国に次いで低い水準にある。しかし、単身世帯が増加する中では、社会保障を拡充して1人暮らしの人でも安心して暮らせる社会を構築する必要がある。これは、家族を軽視することではない。なぜなら、現在家族と暮らしている人を含めて、誰もが将来1人暮らしになる可能性を抱えているからだ。そして社会保障を拡充するには、その財源の確保が必要だ。税や社会保険料の引き上げは不可避である。これは家族のセーフティーネット機能が低下するなかで、様々なリスクに公的に対応してもらうための必要経費と考えた方がよい。また、現在家族と暮らす人もいつ単身世帯になるかわからないので、そのための保険でもある。
 一方、幸いなことに、日本の税・社会保険料の負担レベル〜国民負担率〜は主要先進国に比べて低い水準にある。税・社会保険料の引き上げの余地は残されている。
 第2に、地域コミュニティーのつながりの強化である。退職をした多くの高齢単身者にとって、地域コミュニティーが「社会とつながる場」になりうる。また、公的サービスでは付与されない支援を、地域のNPO(特定非営利活動法人)などから受けられる可能性もある。行政には、地域のNPOやボランティアの活動を広げていくために、資金面や経営ノウハウの提供、人的ネットワークの構築支援といった役割が求められる。
  第3に、「自助」の前提条件の整備である。生涯単身で生きる覚悟をしている人は、そのリスクを認識し、現役時代から経済的な側面や人的ネットワークなどの面でリスクに備えることが望ましい。
 一方で、自助努力を求めるにしても、社会としてその前提条件を整備する必要がある。例えば、就職氷河期にフリーターとなった若者は職業訓練の機会に恵まれず、正規社員への転換も容易ではない。結婚したくても経済的に余裕がなく、フリーターのまま1人暮らしを続ける若者や中年も少なくない。また、男女の賃金格差が大きい社会では、単身女性に自助努力を求めても、個人として低賃金を克服するのには限界がある。自助努力を求めるのなら、こうした個人の力だけでは克服できない社会の歪みも是正すべきだ。
 ほとんどの人が結婚をして同居家族がいることを当然視してきたこれまでの日本社会にとって、単身世帯の急増は確かに「衝撃」であるだろう。しかし、この衝撃はうまく対応すれば、社会を良い方向にもっていく力にもなりうる。血縁を越えて、公的にも地域としても支えあっていけるような社会の再構築を考えていかなくてはならない。

   (ニュース出所 週刊エコノミスト 7/20)


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