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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.190  2010年12月

〜世界の医者をネットで結び「MRI難民」を救済する〜

 
 
日本では、CTやMRIといった画像診断の専門医が極めて少ない。そのため、特定の病院に患者が集中し、MRIを撮るのに長期間待たされることが日常化している。この状況を解消しようと15年前に誕生したのがドクターネット。社長の佐藤俊彦氏は、今も放射線科医として第一線に立っている。

◆世界中の医者をネットワーク

佐藤 画像の遠隔診断の市場規模は2013年で年間100億円、1148万件に達すると見られている。その中で我々のシェアは13.5%、昨年、セコムさんを抜いて業界トップになりました。アメリカなどでは、例えば脳卒中で倒れた場合、25分以内にCT検査を行い、20分以内に放射線科の読影により病名を確定。45分以内に血栓溶解治療を行うというのが明確に定められている。日本でも、今ではCTやMRIを撮らずに手術を行うことはまずありえない。

北尾 それほどまでに画像診断が大事ななのに、日本は放射線医が非常に少なくて、医者の2%弱しかいない。しかも、診断の決め手になる画像診断医(読影医)は更に少ない。ドクターネットは、その読影医の少なさを補うビジネスですね。

佐藤 技術が発達してCTやMRIができ、データをデジタル処理して、どこにいても画像を診ることが可能になった。しかし日本では、撮った画像を読影する読影医が非常に少ない。特に地方はその傾向が顕著だったが、デジタルデータを伝送できれば、地域による医師のばらつきは全く関係なくなる。そこで我々はまず、読影のネットワークを築くことにしました。現在、このネットワークは180人まで増え、うち25人は海外在住です。契約した病院から送ってきたデータや、我々の画像センターで撮った画像をネットワークを介して読影医に送り、専門医が診断する。海外の医師メンバーもいるので24時間対応できます。最近では、ネットワークシステムをクラウドに替えることで、パソコンさえあれば読影ができるようになりました。

北尾 画像診断に使う医療機械はものすごく高くて、小さな病院では負担できない。それを使いこなすのも難しい。結局、そういう機能を持つのは大病院になってしまうから、そこに患者が集中し、なかなか検査が受けられない。

佐藤 大学病院などの場合は、夜間、MRIなどの検査をしません。これがアメリカの画像センターなら、朝5時から夜12時まで動かしています。需要の多いところでは移動式のMRIが回って検査を夜中までやっている。ところが日本ではそういうことをしないから、画像診断が遅れる。そしてその間は何もできないんです。最近では、我々が直接運営する画像センターだけでなく、医師が自分たちで会社を立ち上げ遠隔画像診断センターをつくって、我々のインフラを利用するケースも出てきています。

◆先進国アメリカとの格差

北尾 佐藤さんは宇都宮の病院で副院長を務めていたのに、1995年にその病院を辞めてドクターネットをつくった。なぜですか。

佐藤 きっかけは90年代半ばにアメリカへ視察に行ったこと。驚いたのは、日本では医師は病院に就職するのに、アメリカでは、医師が会社をつくって複数の病院と契約するんです。日本は病院に就職するので、1つの病院に同じ専門医はそんなに多くない。そうなると、自分の能力を超えた場合は対応できなくなる。アメリカなら放射線医がグループプラクティスを行うため、様々な状況に対応できるし、医師のスキルも上がっていく。こういう仕組みを日本でもつくろうと考えたのです。同時に、いずれ日本も遠隔診断が可能になる、と考えたのが2つ目の理由。もう1つは、先ほど話した画像診断センターをつくりたかった。複数の病院が共同利用する画像センターが当時はまだ日本になかった。その3つが会社をつくった理由です。

北尾 日本とアメリカの差は縮まりましたか。

佐藤 まだまだ大きな差があります。たとえばナイトホークという上場会社の売上げ規模は300億円近くある。我々の会社の遠隔診断は10億円ちょっとで、全事業を合わせても30億円ほど。アメリカでは読影が社会システムとして認識されているが、日本では読影してもしなくても保険点数を請求できる。その差は大きいです。

佐藤 アメリカに読影医が多いのは、診断を裏付ける手段として画像診断を積極的に取り入れたという背景がある。画像診断なしで治療してうまくいかなかった場合、医療ミスを指摘される可能性が高いからです。ところが日本では、これまで訴訟リスクはほとんどなかった。だから画像診断をしないケースも多く、読影医も育ってこなかった。

北尾 ところで、僕はこの会社は近い将来、上場するものだとばかり思っていたけれど。最近ノーリツ綱機グループに参画されたようですね。

佐藤 事業そのものは順調だったが、様々なリスクに見舞われる可能性があった。今回、ノーリツ鋼機グループに入ることが、継続的な会社発展のために最善であると判断したわけです。

◆中国で撮影、日本で読影

北尾 これから何を目指しますか

佐藤 これからは、予防医療がますます重要になってくると思うので、顧問医と治療医のネットワークをつくりたい。顧問医とは、クライアントの健康上、様々な相談にのる医者で、何か問題があったら、診断センターと診断医と治療医のネットワークでクライアントを守るのです。メディカルクラブも充実させたい。いずれ、将来リスクを遺伝子診断で見ていくという予防プログラムをやっていこうと考えています。
もう1つは海外展開。いま、中国から日本へのPET検診のメディカルツーリズムが盛んになっています。大連ではいま、新しい開発区に未病センターをつくることになって、そこで画像検診をやるそうです。しかし、読影できる医師がいない。そこで、大連で撮った画像を日本に送ってもらい、我々が読影するというシステムをつくろうと現在取り組んでいるところです。


   (ニュース出所 月刊BOSS 10月号)


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