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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.193  2011年3月

〜人を幸せにする組織の構築を〜

 ドラッカーの箴言(しんげん)は、企業人のバイブルである。壁にぶち当たったときその解を求め、マネジメントの本質を探るのだ。2010年、ドラッカーブームが再燃した。その理由を、ドラッカーと親交の深かった上田惇生氏(ものつくり大学名誉教授・立命館大学客員教授・ドラッカー学会代表)に聞く。

◆いま、なぜドラッカーなのか
 2010年という年は、経営誌の特集テーマで、ドラッカー論が頻繁に取り上げられた年でした。その多くは「いま、なぜドラッカーか」という問い掛けでした。なぜでしょう。
 それは、今の世の中が“変”だからです。われわれにとって一番大事なものは何かというところを根本的に間違ったために、世の中がおかしくなってしまった。編集者たちは、“変”ではない何かをドラッカーが示してくれると確信したのでしょう。
現在のビジネススクールは、どうもお金儲けのテクニックを教えることが中心になっているようです。昔は教養科目が必須としてありましたが、50年ほど前から、ヘルマン・ヘッセを呼んで何の役に立つのか、といった風潮が蔓延しました。マネジメント教育から教養が欠落していったのです。ドラッカーがそのことに最初に気づいたのは、1965年頃です。当時、雑誌のフォーチュンが戦後時代の若手経営者や経営幹部を調査してまとめた『若き経営エリートたち』(ダイヤモンド社)という本の「推薦の言葉」のなかで、ドラッカーは、「彼らは効率一辺倒である。目的を思い煩わない。これでは米国の社会はどうなるのだろう」と疑問を投げかけていました。

  今日では、こうした警鐘を鳴らす人も少なくなりました。怪しげな金融商品の開発も許されています。本来、経営の目的は、財サービスの使い手たるユーザーとしての「人」と、それらの財サービスを供給するワーカーとしての「人」にあるのですが、その「人」を犠牲にして、経済を優先している。派遣切りの問題にしても、非常な低賃金で人を雇わなければ成立しない事業というのは、やはり間違っているのです。
 これは変わった見方でも何でもなく、誰もが気づいていることです。しかし一般化しないのは、近代合理主義は部分最適の和が全体最適だとするからです。デカルトは「われ思う、ゆえにわれあり」と言い、すべてのものは論理の力によって明らかにできるとしました。技能を技術とし、そこから科学を生み、産業を生んで、今日の豊かさがあるわけです。 そうした豊かさのなかで、「金を設けることが悪いのですか」とあっけらかんと言う人が出てきた。それに対しては、「目的のない金儲けはきわめて危険ですよ」と釘を刺す財界人が必要です。
◆働く人の幸せとマネジメントの役割

 ドラッカーは、産業革命によって人類はもっと幸せになってよかったはずだという考えです。今のわれわれの問題意識とドラッカーの問題意識は同じです。いずれも「社会的存在としての人間の幸せ」をどう実現すべきか、というとろにあります。経済だけでは幸せになれない。けれども答えは、脱経済至上主義を掲げて出てきたヒトラーのファシズム全体主義ではない。ではどうするか。
 ドラッカーはその解をみつけました。「文明をつくっているのは、組織で働いているあなた達ですよ」と。つまり、あらゆるものが組織によって作られるようになった今、組織がうまく運営されれば、財サービスが豊かになる。あらゆる組織が生き生きと働ける生産的な場になっていれば、働くものみなが自己実現できる。
 
  そして、その鍵がマネジメントだと考え、マネジメントを自ら開発し、その集大成として大著『マネジメント』をまとめました。
 その中でドラッカーは、マネジメントの役割は3つあるとしました。1つは最高の財サービスを提供すること。2つめは、そこに働く人が成果をあげるようにすること。3つめは、世の中のことを考えるということです。「マネジメントにおいて本当に大事なのは、スキルではなくフレームである」 と言っていますが、これら3つの役割こそ、マネジメントのフレームそのものです。
更に、その会社が良い仕事をしているかどうかを見るポイントとして、マーケティング、イノベーション、生産性、人材育成、生産設備・立地・原材料と資金の質を挙げています。このなかには「利益」は入っていません。
 
もちろん、明日さらにいい事業をするためには余剰の資金が必要ですが、利益を目的にしてしまうと早晩がたがたになってしまうからです。利益は事業の目的ではなく、明日更に優れた業績を行うための条件です。だからこそ、利益はたくさん必要です。

◆“今起こっている未来”を見よ!

 ドラッカーは未来学者と言われますが、未来はまったく分からないというのがドラッカーの持論です。ドラッカーが言っている未来が全て当たっているように見えるのは、実はすでに起こった未来を語っているからです。今起こっている未来でも私が最も注目しているのは、立命館大学の大学院に「私のふるさとの発展に貢献した人間として憶えられたいです」と言う学生がいたことです。
 残念ながら、日本人の学生ではありませんでした。瀋陽から来た中国人留学生でした。これが既に起こった未来です。この学生のような中国の大勢の学生が、10年後、20年後の世の中の影響を与えない訳がありません。
 大阪で健康食の玄米カフェを経営しているある女性は、ドラッカーの「強みに気づけ」をモットーにした途端に、全てが良い方向にまわり始めたと言っています。普通の大学を卒業し、公認会計士事務所の所長秘書をしていた普通のサラリーウーマンがドラッカーに学んで仕事に生かしている。そういう人がこれからどんどん出てくると期待しています。

    (ニュース出所 JMAマネジメントレビュー 12月号)


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