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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.198  2011年8月

〜中国ODA、7兆円の闇〜          前号からの続き

◆25兆円もの援助

 ODAと資源開発ローンは日本政府と中国政府の2カ国間の援助だが、これに加えて日本が資金提供している国際金融援助団体からの中国向け融資も忘れてはならない。代表的なのが、世界銀行とアジア開発銀行である。
 そもそも日本では、対中ODAについて無知と誤解があまりにも多すぎる。中でも、ひたすら中国への贖罪を語るだけの言論人たちの常套句「日本は中国に対して戦争賠償金を払っていないから援助は当然だ」は、犯罪的ですらある。
 事実は全く異なる。1972年9月、中国を訪問した田中角栄首相と周恩来総理との間で締結された日中共同声明の第五項には、はっきりと記されているからだ。「中華人民共和国政府は中日両国人民の友好のために、日本国に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言する」と。
 国交正常化以後に始まったODA、資源開発ローン、世界銀行やアジア開発銀行からの迂回融資を加えれば、概算でも25兆円を超える。
 日本は「侵略戦争の反省」と「永遠の友好」のために、中国を世界一援助してきた。だが、それに対する中国の返答は、東シナ海での不法な海底油田の採掘であり、尖閣列島沖での中国漁船による領海侵犯だった。日本国民はこの事実をもっと自覚すべきである。

 だが、こうした問題が国会で取り上げられたことはない。民主党、自民党、公明党など新旧の与党はいうまでもなく、こと政府の対外援助腐敗にはいつも噛み付く共産党も社民党も、中国についてはひたすら沈黙するばかりである。
 
政治家だけではない。アジア開発銀行の黒田東彦現総裁も「中国は覇権主義的ではない」と言明するほどの新中国的人士で、東アジア共同体論者としても知られる。その彼の口から最近も、壮大な対中大型援助が明らかにされたばかりだ。「現代版シルクロード構想」と彼が名づける「中央アジアハイウェイ計画」だが、結論から言えば、このプロジェクトは問題だらけだ。

◆水面下で進む新ODA政策

 信じがたい話はまだ終わらない。今や日本と中国の2カ国間の経済支援の動きも、水面下で拡大しているのだ。尖閣事件後、中国政府は対抗措置として、次々に日本との交流計画を延期、中止してきたが、ほぼ唯一中止されなかったのが、第5回日中省エネルギー・環境総合フォーラムだ。実態は日中間で経済界を中心に今後一層経済交流を拡大しようというもので、日本企業は中国政府が力を入れ始めた省エネと環境分野のビジネス受注をターゲットにしたが、中国側が強く求めたのはODA(円借款)の復活だった。しかし、それは中国の反日外交と軍拡に警戒感を強める国民の理解は到底得られない。

 自民党の安倍、麻生政権でのODAに代わる 援助スタイルが模索されていたが、民主党鳩山政権が誕生し、状況は一変。2009年11月、中国側の提案により「日中省エネ環境基金」が設立されたのだ。中国側はこの組織を「日本の過去のODAに代わる新機構」と位置づけた。基金の目的はあくまで「中国の環境対策」にある。日本の環境対策には1円たりとも使われない。
 にもかかわらず、民主党は援助に疑問を呈する国民の世論動向を伺いながら、姑息にも対中援助再開へと徐々に舵を切り始めている。注目すべきは、省エネ・環境フォーラムでの近藤昭一環境副大臣の発言だ。「今後の日中環境協力はこれまでのODA中心の協力ではなく、民間企業の支援を念頭に、官民連携のパートナーシップによる協力の推進が重要である」

 これは、新しい形のODA提案だ。副大臣は「民間企業の支援」すなわち日本の援助で日本企業が仕事を確保できるようなタイドローンに変えたいというのだ。日本も企業も対中環境ビジネスに政府からの公的支援がつけばありがたい。
 こうすることで、国民の間にある中国向け援助反対の声を、ある程度納得させることができるかもしれない。だが、中国政府は変更に賛成していない。アンタイドローンは中国にとって実に旨みのある方式だ。カネを出しても日本側は内容に口を挟めないから、彼我の力関係が逆転することがしばしば起こる。日本企業がODAの受注プロジェクトにかかわろうとする際には、中国側要人に取り入るしかない。外務省が強調する「援助は日本外交の武器」ならぬ「中国政府の武器」となっているのである。

   (ニュース出所 WILL 7月号)

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