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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.200  2011年10月

 〜公務員制度改革が日本の根本課題〜

 古賀茂明氏の『日本中枢の崩壊』(講談社)は、まさに我々を「覚醒」させてくれる“打ちのめされるような”本である。古賀氏の考える公務員制度改革は、日本の根幹の権力側の支配システムを変えて、政治主導ならぬ、国民主権を取り戻そうというものである。このまま自己保身と利権維持のための強固な連携力だけは備えている官僚たちのやり方を続ければ、日本全体がメルトダウンしてしまうと古賀氏は強く警告している。

◆今の公務員制度では政策イノベーションが生まれない

元木 公務員制度改革が日本再生につながると書いていますが、その点をまずお聞きします。
古賀 今、日本が置かれている状況はあらゆる意味で限界に来ている。今までの日本は、官僚がお膳立てをして政治と持ちつ持たれつでやってきた。その時は、大した政策イノベーションは必要なかった。それがここへきて、少子高齢化で急激に人口が減るなど、かつてどの国も経験していない事態に直面している。産業の競争力は一度頂点を極めたが、その後は次々新しいものが出てくる状況にはなっていない。他の国に追いつかれている状況の中で、色々なしがらみを乗り越えて新しい政策を出していかなければいけないのに、今の公務員制度では政策イノベーションが生まれない仕組みになっている。それが最大の問題です。

◆まだ大企業には危機意識が足りない

 公務員制度改革は他の課題と横に並んでいる問題ではなく、もっと根っこの問題。そこを根本的に変えておかないと、縦割りの色々な課題に取り組もうとしても、結局、少し進んでは戻り、進んでは戻りの繰り返しになるだけです。
元木 東日本大震災がなくても大変な非常時なのに公務員制度が変えられないのはなぜですか。
古賀 今回の東電の原発問題で気になったのは、民間もやはり既存の自分たちの利益構造を守ろうという方向に動くんだなということです。
 心ある経営者の中には日本経済に危機感を持っている人がたくさんいる。「このまま日本経済がズルズル落ちて行くのは最悪で、むしろハードランディングの方がいい。今IMF(国際通貨基金)に来てもらえばまだ間に合う」という経営者も増えている。ところが、今回の「東電を救え」という動きを見ていると、大企業はまだまだ危機感が足りないのかなという気がします。
 官僚も口では「危機感を持っている」と言う。財務省は増税を言う時には、「危機だ、危機だ」と叫ぶのだけど、本当に危機感を持っていたらこんなことをするのですかというようなことがあちこちである。 
 例えば、21年度、お堀の内側に竣工した公務員宿舎。不動産専門家に聞いたら坪単価5千万円はするそうです。国の財政を管理する財務省の人達に危機感はゼロだなと思いましたね(笑)。

◆国民が知らない官僚の低レベル

元木 東電を救うスキームが決まりつつあります。民間企業を救うのに税金を投入するとか、電気料金値上げまで視野に入れるそうです。官僚はもっとクールで、ドライに処理しそうなものですが、なぜそうならないのですか。
古賀 危機感がないこともありますが、やはり専門能力がないからです。これが、たぶん国民の皆さんから見て一番わかりにくいところでしょう。官僚というと、東大法学部を優秀な成績で出て公務員試験を受かった財務官僚をイメージして、あんな人たちには敵わないと思っている人が多いかもしれないけれど、それは30年以上も前に公務員試験を受けて通った幹部達のこと。しかも昔は官僚の人材も優秀だったかもしれませんが、それだけではありませんでした。色々な情報はまず役所に集まってくるし、民間から情報をもらうのも全部ただでもらえた。だから官僚側に優位性がありました。それが今では、色々な分野が日進月歩で専門化して民間のレベルが非常に上がってきているのに、官僚がそれについていけていない。

 企業再生の技術でも、海外ではこの20〜30年の間に伸びてきて、日本は2003年4月に産業再生機構をつくったあたりから追いかけ始めています。しかも企業再生はそこからでさえ長足の進歩を遂げているのに、それを理解している役人はほんの一握りです。自分たちはわかっていないのだということすらわかっていない。
 今度の東電救済のスキームを無理やり作った人たちは、はっきり言って企業再生が何なのかさえもわかっていない。そもそも財務諸表さえ満足に読めていないのだろうなと私は思っています。財務諸表が読めなくても政策立案ポストには就けるのです。
元木 保安院に原発の知識のある人がいなかったのと同じですね。
古賀 財務省も非常にレベルが低いと思います。これだけデフレの中で増税だけでいくというのは経済政策的に見て、世界中の学者に聞いてみても、そんなことやれと言う人はほとんどいないでしょう。増税だけでは財政再建に成功した国なんていないのです。日本の場合は人口も減っていくわけですから、放っておけばどんどんシュリンクしていく。消費税を上げても上げても税収は下がっていくという方向に行くだけです。
 だから、今は税収をもう一回上げるしかない。税収を上げるために増税、増税でいくのか、経済のパイを大きくして上げていくのか、2つあるはずなのに、なぜか経済のパイを大きくすることについて財務省はひと言も言わない。でも、それが一番大事なのです。税収にしても社会保障にしても、元になるのは経済成長なのです。

(ニュース出所 エルネオス 7月号)

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