トップページ 会社概要 経営理念 業務内容 所員紹介 アクセスマップ セミナーご案内
月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理


 

  
〜まちづくりに必要なセンチメンタル価値〜

  映画「オールウエィズ」を見ていると、自分が生まれ育ったこどもの頃の風景が浮かぶ。懐かしさとともに、街の個性があったように思われる。今、どこへ行っても、その個性を見出すのは中々難しい。

  先日、訪問した愛知県岡崎市は、徳川家康の生誕地「岡崎城」もあり、大変個性的な街であると感じた。岡崎は東海道有数の宿場町として繁栄したが、明治維新を迎えると情勢は変わり、新しい時代には不要とされた城郭の大部分は明治6〜7年にかけて取り壊されてしまった。このあとは、堀と石垣が昔日の面影をわずかに伝えるばかりであったが、岡崎の象徴である天守閣がないままでは偲びないとする市民の思いは強く、昭和34年に、ほぼ昔どおりの外観の天守閣が復元された。今回、いにしえ、東海道を往来する旅人を仰ぎみたであろう天守閣から、岡崎市街などをながめることができた。市民の郷土愛を感じる素晴らしいまちである。

 日本の地方都市の中心市街地の衰退が叫ばれて久しい。一方、イギリスでは、郊外型の店舗があるにもかかわらず、中心市街地経済は活気があるという。イギリスには、業者は、中心市街地に空き店舗、空きビルがない場合に限り、郊外に出店してもよいが、中心市街地が衰退している状態では大型店は郊外に店舗を出せない都市計画の指針があるという。イギリスにはまちづくりの哲学を示すセンス・オブ・プレース(Sense of Place)という言葉があり、「土地の持つ個性」を指すとのこと。地域にはそれぞれの個性があり、地域風土を生かしたまちづくりを行おう、というものであると。岡崎市のごとく、その源動力は先祖代々営まれた歴史や伝統への尊敬の念と愛着心であろう。ある大学教授の著書から、センチメンタル価値という概念を教えていただいた。センチメンタル価値とは市民が自分の住む地域にもつ自然な愛着感。地元の神社でも海岸線の景色でもなんでもよい。地域の人々が長年愛した場所には土地の個性が宿ると考えられる。人々が地元の街にセンチメンタル価値を見出し、地域再生に向けて行動した結果、センス・オブ・プレースが再生される。
 
 現在成功していると思われる全国の事例の80%以上が地元を愛する市民が行動して、個性を蘇らせたものであるといわれる。札幌の雪まつりの歴史もそのようだ。再生のテーマは地域によって異なるが、たとえば、古い街並みの保存、伝統的な施設を活用したケース、地域固有の特産品など、様々である。いわゆるもともとあった地域の個性を再生するという「保全型」のまちづくりといえよう。

  近年有名になった滋賀県長浜市や、大分県豊後高田市の「昭和の町」復元が、商店街の個性化に成功しているようだ。個性の再発見、難しいが、成巧すれば、中心市街地においても郊外型店舗の存在に脅かされることはない。そして、その個性とは、景観でなくても、食、産業、祭りなど有形無形でよい。差別化こそが今のまちづくりにもとめられているといわれる。これまで、試行錯誤を繰り返してきた結果が現状であるが、一段上の努力をせよとのことであろう。行政があてにならない時代にあって、愛するまちのために市民それぞれが知恵を出し合い、創り出す時代なのであろうと思う。

 月刊 経営一番へ 

  

Copyright (C) 2003 安蒜俊雄事務所 All Right Reserved.