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月刊 花みずき

商店街の現状と課題
 
 ・円滑化法の廃止後は

 ・S電気店・店主の話
 


ワンポイント
印紙税の軽減措置拡充と
非課税範囲拡大

月刊 経営一番

中高生52万人を蝕む
「スマホ亡国論」

・学校に行けない重症患者

・取り上げると大暴れ
・どこからが依存か
・技術と追いかけっこ
・東アジアは“依存先進国”

編集後記
 〜時泥棒〜



業績31の原理

 経営一番 NO.216  2013年2月
〜カルロス・ゴーン独白 「日本企業を、私なら再生できる」〜
                          前月号つづき
◆日本を見限ったのか

 2010年、日産は売れ筋の小型車「マーチ」の生産を、神奈川県の追浜工場からタイ工場へ全面的に移管した。グローバル経営の加速と国内生産の維持を両立することは難しい。
海外に生産拠点を移したほうが利益は増える。

〜グローバル化が日産の業績を支えていますが、一面では日本を見限ったと言えませんか。

 「日本を捨てているのではありません。新興国が急成長しているので、相対的に日本市場の割合が低下している面はあると思います。
 2000年にはグローバル販売240万台のうち国内販売は60万台、割合でいえば25%でした。現在も60万台を販売していますが、12年のグローバル販売予測は535万台ですから割合は約11%です。
 決してものづくりが弱体化しているわけではありません。逆に、ものづくりの力が強いからこそ、これだけの逆風にも対応力がある。

 日本は引き続き、本社や開発の中心となるマザー工場を置く場所です。戦略を策定するのも、主な意思決定をするのも日本でやります。
 なぜなら日産のDNAが日本にあるからです。社長が日本人でなくても、それを変える必要はないのです。私が円高について懸念を示すのも、ものづくりの重要性を語るのも、日本を大切にしているからです」

 グローバル経営と国内の産業基盤の維持の両立のために日産が実行しているのが九州での生産改革「九州VICTORY」だ。まず国内最大の生産拠点だった九州工場を分社化。本体より低い賃金体系にして人件費を抑制。同時に九州で生産された部品と、アジアで日系企業が生産している部品でコストダウンを図った。内製原価は43%も減らせる見込みだ。関東にある中小下請け企業には、「海外進出の余力がない場合は九州へ移ってきてください」と誘っている。
 「すべてを日本に残すのは難しいけれど、全部移してしまえば小型車を造るノウハウが失われる。そこで日本メーカーが海外で生産している部品を持ってくることにしたのです」(志賀COO)
もっとも社員の中には、「海外工場で現地の若い社員を推進する仕事が増えました。賃金が安い彼らにすべて教えてしまうと、収益に敏感なゴーン社長はすべて海外に移してしまうのでは」と、不安がる声もある。

〜 電機産業は厳しい状況です。

 「電機産業は円高による打撃がひどい。しかもライバル企業は通貨が安い地域にベースを置いているので日本より有利です。
 日本の国際競争力を維持する方法は単純です。当座の問題は円のレートを普通のレベルに戻すこと。1ドル100円が妥当だと思います。長期的な問題はエネルギー政策を明確にすること。将来のエネルギーが不安だと投資に影響します。エネルギー源が何であれ、競争力のあるエネルギーが必要なのです」

◆トップは危機の現場にいるべき


〜 日産再生の過程で、ゴーンさんがリーダーとして果たした役割を教えてください。

 「日産が再生できた理由をあえて一つに絞れば、社員が自信と会社への信頼を取り戻したからです。経営者に求められるのは、言葉と行動が一貫していることです。社員は経営者をつぶさに見ています。仕事ぶり、会議での言動、スピーチ。言葉と実際の行動が同じ方向であれば、社員も経営者の言葉を信じます。」

 ゴーン氏が東日本大震災の18日後に被災した福島県のいわき工場を自ら訪れたのも、社員の目を強く意識しているためだ。

 「いわき工場を視察したのは、最も被害が大きかったからです。現場に行って社員を励まし、工場の再開をコミット(公約)するのは当然です。それも3,4回、足を運びました。
実際に復旧の進捗状況を見て激励することが重要なのです。社長は会社のシンボルですから、日産が会社としていわき工場の努力を認めたということになる。すると現場の人間は誇りを持てる」

〜 社員に自信を持たせるためには、どうすればいいのでしょうか。

 「やはり実績です。結果を出すと社員は自信を取り戻す。自信を取り戻すとさらに結果がよくなる。この好循環を生み出すことが、リーダーの責任なのです。
 私が1年目に黒字化しても、『数字を操作したのだろう』と批判されました。それが二年目、三年目も改善して、ようやく周囲も認めざるを得なかった。それで社員に自信が生まれたのです」

〜 ゴーンさんが目標を設定するとき、何を基準にしているのですか。

 「目標の設定が社長の仕事の核心です。そのために会社についても、社員に関しても、技術のことも熟知する必要がある。
 また目標は、社員が見て『厳しいけど達成できる』と思うものでないと意味がないのです。厳しすぎると、社員が諦めて取り組まないので、かえって生産性が下がります。逆に、簡単だと思われるのも良くない。適切な設定が肝心です」

〜 今後の日産の目標は。

 「『日産パワー88』という中期経営計画にまとまっています。グローバルでの市場占有率を8%の安定的な営業利益率の達成。そして高級車ブランド、インフィニティの発展、ゼロ・エミッション車への取り組み、新興諸国での成長などに取り組んでいます。
 いまや日産は本当に計画を実行できる人材が揃っています。私にとって重要なのは実行です。実行するからこそ、現実を変えることができる」

〜 その中期経営計画が終わると、社長在任が16年となります。あまり長いと、独裁者と言われませんか。

 「在任一年でも“独裁者”と言われる人はいますから、任期より心構えや姿勢の問題だと思います。やはり自分自身をおしつけてはいけません。続投は株主が業績、配当金、株価を見て決めることです。
 リーダーが自信過剰だと誤った組織は誤った方向に進んでしまいます。正しい方向に進んでいるか、私は常に自問自答しています」

(ニュース出所 文藝春秋 12月特別号)
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