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月刊 経営一番

〜「俺のフレンチ」上場計画〜


・違和感を抱かれるJALの「機内食」採用

・ジャズ関係者を驚かせた「老舗クラブ買収」情報

編集後記
 2015年「志高き企業を目指してU」



業績31の原理

  経営一番 NO.239  2015年01月
〜「俺のフレンチ」上場計画〜
〜「俺のフレンチ」上場計画〜
 ミュージシャンの囲い込みなどでジャズ音楽界で俄かに注目を集める「俺の株式会社」坂本孝社長。盛和塾のメンバーで熱心な“稲盛信者”の坂本社長だが、その成功を受け株式上場も進めているという。

◆違和感を抱かれるJALの「機内食」採用
 高級料理店に劣らない料理を激安の立ち飲みスタイルで味わえる店。「俺のフレンチ」、「俺のイタリアン」をはじめとした「俺の」シリーズは、東京・銀座、新橋を中心に急ピッチで店舗を増やし、今の行列の絶えない大人気チェーン店となっている。しかも、来年をメドに株式上場の準備も進めているという。その「俺の」グループが、今、都会の夜をムーディーに彩る東京のジャズ・シーンを席巻しつつある。その手法は、稲盛和夫氏の弟子を自認する「俺の株式会社」、坂本孝社長ならではの手法だった。
 1940年生まれの坂本氏は、中古書籍販売チェーン「ブックオフコーポレーション」の創業者として知られる。91年のブックオフ創業から間もない頃、偶然手にした稲盛氏の著書がきっかけで96年に盛和塾に入ったという。そこで坂本氏が学んだのは、「お客様第一主義」を実現するには「従業員第一主義」を徹底しなければならない、ということだった、などとメディアのインタビューに本人が話している。
 その後、ブックオフは急拡大。2004年には東証2部に上場(05年に1部に指定替え)するなど、順風満帆に見えたが、07年に会長を退任。ゴタゴタの内に自ら設立したブックオフを去ることになった。
 そして、11年に「俺の」シリーズをスタートさせることになるのだが、そのきっかけは、10年2月に稲盛氏が経営再建のためにJAL会長職を引き受けたことに感銘を受けたことによるという。
 陰に陽に、稲盛氏の影響を受けている坂本氏だが、「俺の」を展開するうえでも、稲盛氏から学んだ「従業員第一主義」が、高級料理店なのに不況で思うような料理ができないとジレンマに悩むシェフたちの心をくすぐったようだ。東京・松濤の超高級フレンチ「シェ松尾」のオーナー・シェフ、松尾幸造氏の“一番弟子”と言われた能勢和秀氏を「俺のフレンチ」取締役総料理長に抜擢したのを皮切りに、続々と有名店出身のシェフ獲得に成功した。
 その成功を認められたというべきか、昨年末にはJALのハワイ線で「俺の機内食」として採用された。師匠に「俺の」成功を見せつけた格好だが、JAL内外からは「稲盛名誉会長と近しい坂本氏への情実ではないか」(航空関係者)という声も聞かれた。本来なら「李下に冠を正さず」で振る舞うべきと考えるが、どうやら稲盛・坂本両氏の師弟関係にはそのような考えは通用しないらしい。
 それはともかく、実店舗でもフレンチやイタリアンだけでなく、やきとり、割烹、そば、焼肉、中華、おでんと、今や「美味しければなんでもあり」と言わんばかりに8業種30店舗の一大レストランチェーンまでに拡大している。しかも、そのうち7店舗は、料理だけでなくジャズの生演奏が聴ける店となっているのだ。
 「普通、ジャズ生演奏のミュージック・チャージは3,000円前後しますが、『俺の』はなんと300円。出演者も、その道で知る人ぞ知る実力派揃いです。ギャラも他での演奏に比べて相当良いそうですよ」(ジャズ業界事情通)
 バブル崩壊後、ジリ貧続きだったジャズ・ミュージシャンのギャランティー。08年のリーマンショック後は、それまでなんとか高いギャラを保ってきたベテラン・ミュージシャンのギャラさえも大幅に値崩れしていた。
 「昔は数万円は当たり前で、時には数十万円を一晩で稼いだもの。でも、今はひどい。中には1万円を切るような仕事もあるほどです」(あるベテラン・ジャズミュージシャン)
 ベテランがこれでは若手はもっとひどい。一晩数千円が当たり前で、演奏を終えて帰宅するためのタクシー代にさえならない。そこへ手を差し伸べたのが、「俺の」坂本氏だった。
 「ミュージシャンは、すべて紹介で集め、登録制にしています。全体で百数十人はいるでしょうね。しかも、一晩のギャラは他の店のざっと2倍ほどだそうです。ジャズを演奏したり歌ったりする人たちは、もともと音楽できる環境に育った人たち。一流大学を卒業し留学経験まであったりするのに、そのキャリアがまったく反映されない悲惨な業界でした。だから、若手で有望なミュージシャン数人は正社員扱いで採用されているんです」(ジャズ業界事情通)
 やはりレストランで引き抜いたシェフと同様、その手腕を底値で買って、回転率を上げて、安く売るという手法なのだ。

◆ジャズ関係者を驚かせた「老舗クラブ買収」情報
 しかし、老舗ジャズ・ライブ店の顧客などからは、冷ややかな声も上がっている。
 「いくら客がいるといっても、所詮は立ち飲み屋でしょ。あんな落ち着かない場所で毎日演奏していると、音が雑になりますよ。『俺の』の仕事を始めたピアニストの演奏が、以前より下手になったなんて話も聞きます」(ある顧客)
 そんな冷笑も尻目に、この夏、衝撃的な話題が駆け巡った。東京・青山にある老舗ジャズ・クラブ「ボディ&ソウル」を「俺の」が買収したというのだ。
 「よくよく聞いてみると、音楽好きの坂本氏が経営難に陥っていた『ボディ&ソウル』に個人的に資金を用立てたということでした。それはそうとして、『俺の』は、近くニューヨークのど真ん中レキシントン38丁目に出店するということで、スタッフ募集のチラシを撒いているんですが、ビックリしたことに、そのチラシに『銀座レストランシアター600平米』とあるんです。これ、青山の『ブルーノート東京』並みの規模。しかも、調理人だけで70人も募集している。普通、この大きさなら客席は200席からせいぜい300席だから調理人は多くても20人ですよ。ホール内を全部立ち飲みにして、脚をすし詰めにでもするつもりでしょうか」(都内ジャズ・ライブ店関係者)
 ジャズ・ミュージシャンにとっては、“救世主”と言える「俺の」坂本氏。しかも、ニューヨークで活動できるかもしれないとなれば、若手ミュージシャンにとってはたまらない。ただ、「利他の心」を説きつつも、それを自らの利益とするのが、稲盛氏がその経営者人生で見せつけてきた教えの真骨頂。果たして、坂本氏とシェフたち、ミュージシャンたちが同床異夢になることはないのか。
(ニュース出所 ZAITEN 11月号)

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