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月刊 経営一番

〜トロッコ列車、訪日客人気で年100万人超〜

・開業まで困難の連続

〜高齢化社会で期待集まる「人工筋肉」〜

・電気や光で動く

編集後記
 ピケティとは?



業績31の原理

  経営一番 NO.241  2015年03月
〜トロッコ列車、訪日客人気で年100万人超〜

◆開業まで困難の連続
 京都でも1、2を競う観光名所・嵐山と保津峡のある亀岡市を結ぶトロッコ列車。保津川渓谷沿いに春は満開の桜、秋は目にも鮮やかな紅葉と、四季折々の景観を楽しみながら7.3キロを約25分かけてノスタルジックなデザインの車両が走る。1時間に1本の運行ながら、年間100万人を超える観光客が訪れるのが嵯峨野観光鉄道だ。
 1991年にJR西日本の100%子会社として開業した。JR山陰線の電化、複線化にともない、廃線を利用して観光列車を走らせるが、開業までは困難の連続だったという。
 そもそも、京都の新しい観光資源として旧山陰線を活用できないか、京都府のそんな打診から始まった。ただ、トロッコ列車の運行が運輸省(現国土交通省)から認可され、正式に決定したのが90年11月。開業の91年4月に向け、ほとんど準備の時間はなかった。
 路線はすっかりさび付き、雑草は伸び放題。とても列車を走らせる状態ではなかった。路線や枕木を取り換え、草刈りに追われた。客車も木材などを運んでいた貨車をレトロ風のトロッコ列車に改造した。現在、満開の桜のトンネルを走ることができるのも、長谷川一彦前社長(現顧問)が中心になってそのころに桜の木を植えたからだ。
 「当初は年間利用者数は23万人程度と見込まれていた」と話すのは坂口勇一総務課長。当時、京都駅に勤務していて、長谷川前社長とともに沿線に桜の木を植えたりしたという。
 ところが、予想を上回り開業初年度の利用者は69万人を超えた。「その後は右肩上がり」(坂口さん)で、2013年度の年間利用者数は過去最高の105万人に達した。特に外国人観光客に人気が高い。森泰藏社長は「はっきりした数字ではないが、100万人のうち、約20万人が海外から。うち7万人は台湾からのお客様で、それ以外が香港や韓国、シンガポール、マレーシア、欧米とみられる」と話す。
 14年度も100万人を超えるのは確実で、利用者数は大雨で2日間運休した8月を除き、各月で前年同月を上回っている。
 「円高の影響で、海外のみならず日本の観光客が9、10、11月に増えた。海外へ行くより『京都へ行こう』という人が増えていると思う」と森社長はいう。トロッコ列車の人気の裏側には、社長らの努力やアイデアも随所に盛り込まれている。
 沿線で紅葉の見どころや景観の良いポイントでは、徐行運転するほか、社員が扮した伝説の鬼「酒呑童子」が社内で記念写真に応じるなど、乗客へのサービス精神を優先する。
 駅売店でコーヒーを注文すると、「嵯峨野」のロゴが入ったプラスチック製のカップにコーヒーを注いでくれ、「記念に持ち帰ってください」と、ポリ袋を一緒に渡してくれる。
 シーズオフの1、2月は運休し、車両の点検や、枕木の取り換えなどのメンテナンスのほか、次年度の開業に向けた営業活動に充てている。
 森社長は「観光鉄道とはいえ、お客様の命を預かっているのは変わらない。安全確保が最優先」としたうえで、「嵯峨・嵐山や亀岡など沿線の資源をお借りする形で、商売しているのはありがたいこと。地域の人たちにどう恩を返していくのかが課題」と話している。
(ニュース出所 フジサンケイビジネスアイ 12月11日)

〜高齢化社会で期待集まる「人工筋肉」〜

◆電気や光で動く
 何らかの理由で筋肉、もしくは骨格も含めて損傷してしまい治癒が望めない場合に代替する「人工筋肉」の研究は昔から行われている。これは老化などの要因で筋肉が衰えた際に、それを補助する役目も期待されている。
 岡山大学の研究グループは13年、地元中小企業や韓国のサムスン電子グループなどと共同で極小の人工筋肉の開発に成功した。当時岡山大学教授だった鈴森康一教授(14年4月から東京工業大学教授)は、池田製紐所に共同研究を持ちかけた。池田製紐所は倉敷市に本拠を置く組紐メーカーで、従業員は30人程度の中小企業だ。様々な種類の繊維をらせん状に巻いて、衣料用から漁業用まで幅広い種類の紐を作っている。
 マッキベン型人工筋肉。50年以上前に米国のジョセフ・マッキベンによって原理が開発された人工筋肉だ。ゴム製のパイプを繊維で巻き、内部に空気を注入することで収縮させる。空気圧で膨らませるという初歩的な原理はそのままに、現在でも改良が続けられ、出力を保ったまま小型化することが求められている。ポイントは空気を送り込まれて膨らむチューブに巻きつける繊維の密度。粗い目ではチューブが膨らみ過ぎ、反対に高密度で編み込むと膨らみが足りずに十分な収縮を実現できない。素材も含めて絶妙なバランスの密度や編み方が必要になる。結果として高強度繊維を最適な密度で編むことに成功、世界最小の人工筋肉を実現した。
 人間の筋肉が「筋繊維」で構成されているからか、人工筋肉と繊維の親和性は高い。信州大学にはずばり繊維学部があり、そこでさまざまな研究が行われている。同大繊維学部教授の橋本稔教授は、「ポリ塩化ビニル(PVC)ゲル」を使った人工筋肉の研究に取り組む。PVCゲルは、ポリ塩化ビニルにさまざまな添加物を混ぜたもの。大きな柔軟性を持つほか、電圧をかけると正極の方向に動くという特徴を持っている。このゲルと導電性のある繊維で作ったメッシュ(網)を何層にも重ねて、メッシュに電圧を加えると、積み重ねた層の縦方向に全体が縮む。電圧をかけるのをやめれば再び元の状態に戻るため、人工筋肉として期待されているのだ。
 マッキベン型と異なり電気を使う人工筋肉だが課題も多く残されている。橋本教授らは、必要な電圧を下げることに取り組んでいる。単純に消費電力を減らす以外に、安全性も考慮されている。現在橋本教授らが取り組んでいるのは、「力の出る衣類」。人工筋肉を内蔵した衣類によって、高齢者などの筋力をサポートすることを目指している。人体近くで使用するためには安全な電圧でなければならない。これが実現すれば服を着るだけで力を出せるようになる。
 大阪大学大学院理学研究科の原田明特別教授らは、2012年に光によって動く人工筋肉の作成に成功している。刺激応答性高分子ゲルを使ったものだが、照射される光の波長に応じて伸縮をコントロールすることができるという。このゲルを用いたアクチュエータを実際に作成しているというが、電気を使わぬ制御であれば、人体付近で使う際に安全性を確保することができる。
 東京理科大学の人工筋肉を使った「マッスルスーツ」が注目されているが、今後さらに飛躍が期待されている分野だ。
(ニュース出所 選択 12月号)

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