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月刊 経営一番

〜中国人「爆買い」で儲かるのは中国だった〜

・団体旅行が価格破壊も起こす

・免税を利用した「転売」が横行

・ツアー立替金が嵩み破綻まで



編集後記
 人生はコミュニケーション次第=話し方次第!



業績31の原理

  経営一番 NO.245  2015年07月
〜中国人「爆買い」で儲かるのは中国だった〜

 「外国人観光客を大量に呼び込む」と謳いつつ、事実上は中国人のための環境整備に邁進している日本。中国が他国に利益をもたらすことは永遠に有り得ないという内実を明かす。
◆団体旅行が価格破壊も起こす
 テレビ各局は、旧正月(春節)に日本を訪れた中国人観光客の“爆買い”の様子を追っかけ取材し、連日のように報じた。大型電気店ではウォシュレットや炊飯器が売れ、大手百貨店や専門店では数十万円から100万円以上する高級腕時計や宝飾品、バッグ、福袋などが大人気、さらに化粧品や薬などもまとめ買い。銀座や新宿、札幌駅前などを立地とする大手百貨店は、総じて前年同月比で売上高が大幅に伸びた。
 円安、そして免税品目が消耗品にまで拡大し、さらに今年1月19日から中国人に対するビザ発給要件緩和の運用が始まったことで、旧正月に大挙して押し寄せたのだろうが、メディアが“お祭り騒ぎ”するほど日本経済にプラスなのだろうか?
 例えば某ツアーの中身は、こんな具合だったりする。飛行機便は中国東方航空を利用し、中国系旅行社(ガイドも中国人)がオペレーション、宿泊先は中国資本のホテル、食事は主に中国人経営の中華料理屋で済ませ、中国系の免税店やラオックスで買い物をする…。
 経営不振に陥ったラオックスは、11年に中国の家電量販最大手の蘇寧雲商集団(旧名は蘇寧電器)に買収され子会社化されている。“爆買い”の主戦場としてたびたび、番組等で取り上げられる銀座本店(買収後の13年11月に開店)の他、北海道、福岡、大阪等でも免税店を運営するラオックスは、顧客の70%以上が日本以外の70数ヵ国の観光客で、中国人が過半数を占めている。
 つまり、中国人ツアーの実体は、現地の中国経済に貢献する傾向が強いのだ。しかも、日本側には限度を超えた“おもてなし”を要求するなど業者泣かせだ。
 札幌の旅行会社から、こんなぼやきを聞いたこともある。
 「2割安くしろ、サービスしろとカネ、モノの要求ばかりです。中国人の団体旅行が増えたことで、一気に価格破壊が起きました。中堅クラスのホテルは1泊3,500円から4,500円で2食付。これでは利益が出ません。1泊単価が3,500円のツアーでも、夕食でタラバガニを1ぱいサービスしろと。観光バス会社も、大幅なダンピング要求に、『人件費が出ない』と悩んできます」
 また、ビザ発給要件の緩和はトンズラ、不法滞在者や闇労働者の増加にもつながる。「中国人の入口を広げ、犯罪を減らす」方程式など、地球上に存在しないのだから…。
◆免税を利用した「転売」が横行
 また、世界でも類を見ない、外国人旅行者(非居住者)を厚遇する日本の免税制度にも注目すべきだ。
 ざっくりといえば、非居住者は免税制度の適用店での買い物で常に8%オフ、将来的には10%オフで日用品すら入手できる、日本人を逆差別した制度なのだ。
 しかも、日本は免税手続きが一義的に完結する、他国には例のない免税方式を採っている。
 諸外国では出国時に未開封の商品(包装)を見せて諸手続きを済ませる還付方式(タックス・リファンド)で、空港での還付か、指定口座に後日振り込まれる方法がある。免税制度そのものがない国も珍しくなく、中国系移民が激増するカナダでは、財政再建を目的に還付制度が07年に廃止された。その背景には、定住者の高額領収書を外国人観光客が譲り受け、還付の手続をする、といった制度の悪用があったという。
 補足すると、日本の免税制度には「購入後30日以内の国外への持ち出しを購入誓約書において誓約」と記されており、税関での書類提出など“儀式”はあるが、国外にすべて持ち出したかを確認する術はない。とすれば、観光客と居住者が制度を悪用することも不可能ではない。
 何より、免税となる前提として、「事業用または販売用として購入されることが明らかな物は対象外」と記しているが、中国人の消費動向に「転売」など事業用が目立つことを関係省庁はご存じないのか? 事実、香港では本土での転売を目的に香港で商売を買い漁る中国人観光客に抗議するデモが1月に起きている。
 周近平国家主席が進める反腐敗キャンペーンで、国内の高級品市場は一気に冷え込み、高級幹部は「国産車、国内製品の使用」も命じられている。中国社会において、高級品は「賄賂」もしくは「公的資金の流用による愛人への“貢ぎ物”」と、腐敗にほぼ直結しているためだ。だが、皮肉なことに、日本では何らお咎めもなく、なおかつ免税で「高級ブランド」「メイド・イン・ジャパン」を“爆買い”できる。
 “おもてなし”の国、日本らしく大手百貨店では従業員を対象に中国語教育を実施したり、大型ホテルや温泉旅館では、ケーブルテレビで中国番組を観られるようにしたり、中国人スタッフや中国からの研修生を配置するなど、中国人観光客の受け入れ態勢づくりに余念がない。
 つまり、日本は「外国人観光客を大量に呼び込む」と謳いつつ、事実上は中国人のための環境整備に邁進し、「雇用波及効果にも期待」といいながら、中国人の雇用に前のめりになっている感が拭えない。
◆ツアー立替金が嵩み破綻まで
 さらに中国人観光客数の予測不能なアップダウンが、関連業界の致命傷にならないとも限らない。
 カナダのバンクーバーで数年前、大手旅行会社の元職員から、こんな話を聞いた。
 「中国人団体客に依存すると、地元の固定客が間違いなく離れます。そのリスクを取らず、香港系旅行会社と提携したある中華料理屋は、通常、2〜3週間での支払いが業界のルールなのに、大口の中国人団体客を送り込むという甘い話に目がくらみ、3ヶ月後の支払いを承諾。仕入れが嵩み薄利多売の自転車操業で、売掛金も膨らんだ揚げ句に倒産です」
 台湾でも、「中国人観光客の受け入れに比重を置きすぎて、ツアーの立替金が膨らみ破綻」「中国人観光客数のアップダウンに翻弄され、経営危機に陥った旅行会社に中国資本が投入された」などの話を聞いている。
 脳天気な日本が、「取らぬ狸の皮算用」で中国人観光客に過度な期待と依存をすれば、結果、経営が不安定に陥りかねないし、乗っ取られる可能性も高まるのだ。
(ニュース出所 月刊テーミス4月号)


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