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〜Leadership〜






編集後記
〜ボーっと生かされている日本人〜



業績31の原理

  経営一番 NO.286  2018年12月
〜Leadership〜

株式会社 あえるば会長
藤原直哉 著

◆2019年のキーワードは「迅」
 10月半ばに新興国を中心に広がっていった、株式、債券、為替の下落が一気に先進各国に波及し、現在も世界の株価の下落は粛々と続いています。
 今回は、中国以外はパニック的な売りというわけではなくて、値段が高すぎる株は粛々と売るという極めて整然とした売りです。特に米国株は既に年初来の上昇を消していて、ハイテク株を中心に売りが続々と続いています。世界を見ると上海、ドバイ、ドイツというユーラシア大陸の経済における、アジア、中東、欧州の3拠点の株価がいずれも大きく下落していて、世界は本格的な不景気に突入しつつあります。
 その影響は日本にも及んできていて、最近は決算の下方修正を発表する企業が多く、それは全業種にわたっていて、人手不足や需要の減退など、構造的に本業で儲からなくなっていることに起因する場合が多く、それに合わせて株価も大台訂正で大きく値下がりしていくという展開です。
 決して根拠なく株価が下がっているわけではありません。興味深いのは、通常こうした株価の暴落が起きると株を売った資金は、国債市場に流れ込んで金利が大きく下落するのに、今回は各国で金利の低下はほんのわずかで、リスクを避ける資金が国債市場に流れ込むという従来の常識はここに終焉を迎えたようです。
 すなわち日米欧いずれも国債市場は相当危険であり、これからむしろ国債市場で大暴落が起きるリスクが大きいので資金はこれに向かわずに、ごく自然に借金の返済に回ったようです。こうした現象はレバレッジの解消と言われ、市場全体から資金が逃げていくという究極的な状況であり、まさに世界最大の複合バブル崩壊開始を象徴する出来事です。
 さらに日本については、こうした世界大での市場下落に日米貿易協議の話が重なってきました。米トランプ政権は、中国をはじめとして全世界と貿易交渉を進め、交渉が難航する場合には経済制裁を課しています。日本に対しても牛肉を中心とする農産物、クルマ、そして為替について協議を行う旨を言ってきているのですが、日本側は為替については交渉には応じない、クルマについては米国こそ関税を撤廃しろと明確に米側に言っています。
 これまで米貿易交渉では、カナダでもメキシコでも中国でも、交渉が行き詰まって当面交渉ができないという状態になったことはありましたが、日本のように最初から交渉を門前払いするような国はなかったと思います。ということは米政権としては交渉ができないわけですから各種制裁を一気に発動して、日本が降参してくれるまでそれを続けると考えるのが自然です。
 具体的には日本の農産物や日本車の米国輸入禁止のみならず、その他品目の米国輸入禁止や関税の大幅引き上げが行われる可能性があります。既に中国では米国との貿易戦争や米国の大幅金利引き上げを受けて、経済は相当深刻なバブル崩壊状況に陥っていますから、日本もここで対米交渉門前払いで米国側が報復に出てきた場合には、一気に金融経済が追いつめられる可能性があります。
 その最大のカギはおそらく為替です。トランプ大統領は現在の為替について対円についてだけでなく、ドルが高くビジネスの妨げになっていると言っています。それを受けて米財務長官も、日本に対して結果的に円高ドル安となる道を求める意向を示していて、ちょうど実効円ドル為替レートが歴史的な円安水準ですから、以前から述べているように、この後激しく円高ドル安に相場が動く可能性が大です。それは対円だけでなくあらゆる通貨についてドルの全面安となる可能性があります。
 結局トランプ政権は、以前から述べているようにドルの世界流通をむしろ止めて、金融危機の頂点で大手金融機関に対する政府の支援は行わず、国際金融市場を本気で壊そうと考えているのでしょう。
 ですから今の段階でロシア、イラン、欧州などはドルを使わない国際決済システムの開始準備を急いでいますし、各国の金融機関やIT企業は現在の国際金融システムを使わずに国内・国際決済を行うシステムの開発をブロックチェーンを使って急ピッチで進めているほか、通貨が大暴落した新興国のなかで、政治的理由から米ドルの利用が制限されている国では、仮想通貨のビットコインが共通の資金決済手段として庶民の間でも使われています。
 また日本でも三菱、住友の2大メガバンクが新技術による決済システムを一般向けに始めようとしています。基本的にどの国でも仮想通貨は法定通貨ではありませんから、銀行や外国為替の規制は一切受けず、経済制裁も関係なく自由に取引ができます。
 こういう時代背景を前提に考えると、次の本格的円高では、日本はもはや対米輸出を中心に利益を稼ぐという産業構造と、ドルが基軸通貨であるという発想を捨てなければなりません。同時に中国を含むアジア各国も、この2点で発想と行動の大転換が必要で、まさに第二次大戦後以来の秩序が金融経済でも大転換する端緒になると考えられます。
 日本は、これから来年にかけて歴史的な体制転換を経験する可能性が高く、折からの世界的バブル崩壊に伴う混乱と相まって、日本も世界も中世戦国時代のような本物のヨコ型時代に突入すると考えられます。その変化が、今の多くの日本人が想像しているよりはるかに速い速度で起き、来年は各国のリーダーの交代が急速に広がると考えられます。
 恒例の来年の1文字は、迅速の「迅」としたいと思います。

(ニュース出所 藤原塾 208)


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